7月18日、鹿児島市天文館の電車通りで道路を横断していた高齢女性を車ではねて現場から逃走したとして、ひき逃げなどの疑いで23日逮捕された元鹿児島市議の男の身柄が鹿児島地方検察庁に送られました。 事故の目撃者がKTSの取材に応じ、被害者の女性がすぐに救護措置を受けられなかった当時の状況を語りました。 鹿児島市西千石町の会社員で、元鹿児島市議の谷川修一容疑者(62)が24日午後、過失運転致死とひき逃げの疑いで鹿児島地方検察庁に送検されました。 警察によりますと、谷川容疑者は7月18日の午後8時すぎ、鹿児島市千日町の電車通りで普通乗用車を運転し、道路を渡っていた鹿児島市郡元1丁目の福元つるよさんをはねて現場から逃走した疑いがもたれています。 福元さんは、後続車にも衝突していて頭などを強くうち、搬送先の病院で死亡が確認されました。 24日正午ごろの事故現場です。 現場近くにある鹿児島市電の天文館通電停には花が手向けられていました。 事故を目撃した人が当時の状況について次のように話しました。 目撃した人 「音がして『何だろうか』と振り返って正面を見たら、女性が中央車線に倒れていて意識はなく手足も動いているところは見ていない。自分も何かしないといけないだろうと感じながら、谷川容疑者が車から多分出てくるだろうと思って結局それを待って誰も来なくて第2の事故を起こしてしまった。(女性を助けることができなくて)自分としても反省している」 谷川容疑者は事故当時、自身が勤める会社名義の普通乗用車を運転していて、警察は目撃者の情報や防犯カメラの映像から谷川容疑者を特定しました。 この事故では、谷川容疑者の車の後ろを走行していた普通乗用車と路線バスも福元さんと衝突していて、どの車両が福元さんの死因と関連しているか現在も分かっていません。 目撃した人 「二度とこのような交通弱者が事件に巻き込まれないように、いろんな形で事故防止の機会につなげれば、亡くなった福元さんも少しは救われるのでは」 谷川容疑者は警察の取り調べに対し、「現場を通ったことは間違いないが事故については身に覚えがありません」と容疑を否認していて、警察は引き続き、事故当時の状況について詳しく調べています。