早期の停戦実現に向け圧力を強めるトランプ外交にもかかわらず、プーチンは全くウクライナ侵攻を停止する気配を見せない。ホワイトハウスも苛立ちを強めている。一向に怯まぬ、このプーチンの強硬姿勢はどこから来ているのか。この背景について、今回は軍事外交面ではなく、「外交は内政の延長である」との国際的格言を切り口にして詳述する。 ここで言う「内政」とは何を指すのか。それは、2024年3月の大統領選で通算5期目の当選を果たしたプーチンが、現在推し進めている国家改造戦略である。この戦略について、筆者は2024年3月22日公開の「大統領選『5勝』のプーチンが乗り出す世界戦略 西側と決別、12年かけ『軍事国家』の完成目指す」で詳しく紹介した。その概要は以下の通りだ。