去年、大分市の自宅で母親の遺体を遺棄し、年金を不正に受給した罪に問われている男の裁判が8日結審し、検察は懲役2年6か月を求刑しました。 詐欺と死体遺棄の罪で起訴されているのは、大分市大平の無職小野忠浩被告(57)です。 起訴状などによりますと、小野被告は去年10月、母親(当時93)が死亡したにもかかわらず、死亡届を提出せず、遺体にブルーシートをかぶせて自宅の床下に遺棄しました。さらに、母親が生存しているように装い、年金4か月分、合わせて53万円余りを不正に受給しました。 8日、大分地裁で開かれた裁判で、小野被告は不正に受給した金の使い道について「罪の意識に押しつぶされそうになるのを紛らわすため、スナックやバーで浪費した」と述べました。 検察は、身勝手な動機で、酌量の余地はないとして、懲役2年6か月を求刑しました。判決は9月5日に言い渡されます。 一方、弁護側は「被告は死体を遺棄したものの、仏壇に花を添えるなど哀悼の意を示しており、逮捕当初から罪を認め反省の意を示している」として寛大な判決を求めました。