30歳妻の出産後、40歳夫から「別の家の匂い」が…夫の謎行動が産後うつを招いたのか

2025年4月、4カ月の赤ちゃんを抱いた38歳の母親がが埼玉県で保護され、その後自身のこども殺害の疑いでその女性が逮捕された。女性は書き置きを残して家を出ており、夫の通報で捜索されていた。その女性は産後うつだったという。 こども家庭庁の「こども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第20次報告)」によれば、令和4年4月1日から令和5年3月31日までに子どもが虐待によって死亡した痛ましい事例の44%が0歳児、3歳児未満が60.6%に及ぶという。一方で、一般社団法人・いのち支える自殺対策推進センターは妊娠中や出産後1年以内に自殺した女性は2022〜2024年の3年間で、少なくとも計162人に上るとの分析結果を発表している。 ではそうした産後うつのためにどのような対策が取られているのか。2025年7月29日には、厚生労働省は『雇用均等基本調査』(2024年度)を発表した。これは、女性管理職の割合や、育児休業取得率などの実態を把握する調査でもある。注目されたのは、企業で働く男性の育児休業の取得率が40.5%と、前の年度より10ポイント以上増え、過去最高になったことだ。つまり、男性が育児に参加するようになってきてはいるが、産後うつの問題は消えていないのだ。 キャリア10年以上、3000件以上の調査実績がある私立探偵・山村佳子さんは、メンタル心理アドバイザー、夫婦カウンセラーの資格を持つ。「子供が生まれることで、家族の役割は変わってきます。特に男性の中には、父親になる重圧やストレスに耐えられなくなり、行動に変化が起こることも。家族からの依頼で行動調査することもあります」という。 山村さんは「困っている人を救える人になりたい」という気持ちが強い。学生時代は警察官を希望していたが、当時は身長制限があり、受験資格はなかった。一般企業に勤務するが、目の前の人を助けたいという思いは強く、探偵の修行に入る。探偵は調査に入る前に、依頼者が抱えている困難やその背景を詳しく聞く。山村さんは相談から調査後に至るまで、依頼人が安心して生活し、救われるようにサポートをしている。 これまで「探偵が見た家族の肖像」として山村さんが調査した家族のことをお伝えしてきたが、この新連載「探偵はカウンセラー」は、山村さんが心のケアをどのようにしていったのかも含め、さまざまな事例から、多くの人が抱える困難や悩みをあぶりだしていく。個人が特定されないように配慮をしながら、家族、そして個人の心のあり方が、多くの人のヒントとなる事例を紹介していく。 今回山村さんのところに相談に来たのは30歳の専業主婦・菜美子さん(仮名)。産後4カ月になるという。「夫の帰宅が遅くなり、朝帰りもある。絶対に浮気をしています」と山村さんのところに相談してきたのだ。 山村佳子(やまむら・よしこ)私立探偵、夫婦カウンセラー。JADP認定メンタル心理アドバイザー、JADP認定夫婦カウンセラー。神奈川県横浜市で生まれ育つ。フェリス女学院大学在学中から、探偵の仕事を開始。卒業後は化粧品メーカーなどに勤務。2013年に5年間の修行を経て、リッツ横浜探偵社を設立。豊富な調査とカウンセリング経験を持つ探偵として注目を集める。テレビやweb連載など様々なメディアで活躍している。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする