静岡県警は4日、暴力団事務所に電話して事務所の捜索情報を事前に漏えいしたとして地方公務員法(守秘義務)違反の疑いで静岡県東部の警察署に勤務する50代の男性警部補を静岡地検に書類送致し、減給10分の1(1カ月)の懲戒処分にした。 監察課によると、警部補は6月、暴力団員による脅迫事件に絡み県内の組事務所を家宅捜索した際、約4時間前に署の固定電話で「今から行く」と組事務所に連絡した。電話を受けた別の暴力団員が捜索時に捜査員に伝えて発覚した。 警部補は処分理由を認め、電話したのは暴力団とのトラブルを避ける目的だったと説明した。「容疑者名や事件名を告げなければ、事件に影響はないと考えた。認識が甘かった」と反省しているという。現在、暴力団担当から外れている。 脅迫事件の容疑者は捜索の翌日に逮捕され、監察課は、情報漏えいが事件捜査に影響を与えることはなかったとしている。 県警職員の懲戒処分は今年に入り8人目。佐藤弘道警務部長は「捜査への信頼を失墜させる行為。捜査情報の管理を徹底する」とのコメントを文書で出した。