〈女性の部屋に侵入→首を絞めて相手を口説き→「警察に言わないで」と逃走…神戸ストーカー事件・谷本将志容疑者(35)が3年前にみせていた“不可解な行動”〉 から続く 8月20日、神戸市のマンションで、見ず知らずの住人女性をストーキングし、殺害に至った驚愕の事件。殺人容疑で逮捕された谷本将志容疑者(35)は、同じくつきまとい行為の果てに、女性に暴行を加えた前科があった。なぜ惨劇は繰り返されたのか。男の「血塗られた人生」を辿った。(全3回の3回目/はじめから読む) ◇◇◇ 「再犯が強く危惧」されながら、執行猶予がついたことで再び、野に解き放たれた谷本は、関西を離れることを決めた。10年ほど勤めた神戸の勤務先は逮捕の一報ののち解雇されていた。向かった先は冒頭で触れた福岡県の産業廃棄物処理業者。面談の結果、谷本は前職での経験を買われて即採用となった。そして、本籍地を福岡に移し、新たな人生を歩み始めようとするのだった。 谷本が勤務した福岡の会社の従業員が明かす。 「22年12月に『求人を見た』と電話があり、すぐに働き始めた。その後は23年1月末まで勤務していました。入社前、うちは産廃業で結構きついので『大丈夫ですか?』と確認すると、『自分は前職で産廃業者に10年ほど勤務していたので大丈夫です』とのことでした。なぜ福岡に来たのかを尋ねると、『地元に戻ると同じような悪いことをしてしまいそうだから』『もう地元には戻りたくない』と」 わずか1カ月ほどで退職したのは「上司とそりが合わなかったため」だという。 「彼に全面的に非がある辞め方ではなかったし、勤務態度はいたって真面目でした」(同前)