福島・受験生死亡事故 被告、起訴内容を一部否認 地裁初公判

福島県郡山市のJR郡山駅前で1月に大阪府の予備校生の女性が酒気帯び運転の車にはねられて死亡した事故で、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などの罪に問われた郡山市昭和の元会社員、池田怜平被告(35)に対する裁判員裁判の初公判が8日、福島地裁郡山支部(下山洋司裁判長)であった。池田被告は「赤信号をことさらに(故意に)無視したのではない」と述べて一部の起訴内容を否認し、争う姿勢を示した。 池田被告は過失運転致傷容疑で現行犯逮捕された。しかし、福島地検郡山支部は事故の状況などから、法定刑の上限である過失運転致死傷(懲役7年)よりも重い危険運転致死傷(20年)に当たると判断した。 起訴状によると、池田被告は1月22日午前6時半ごろ、JR郡山駅前の市道を酒気を帯びた状態で軽自動車を運転。故意に赤信号を無視して時速約70キロで交差点に進入したとされる。この時、横断歩道を青信号で歩いていた10代の女性をはねて死亡させ、自転車の女性(20)に約2週間のけがを負わせた。 検察側は冒頭陳述で、被告は直前に三つの赤信号を無視して走行し、事故現場の交差点では事故の13秒前に赤に変わっていたと明らかにし、「赤信号をことさらに無視して意に介さず、車を進行させた」と指摘した。弁護側は「赤信号を見落として交差点に進入したら、目の前に人が現れて赤に気付いた」と述べ、危険運転には当たらないと主張した。酒気帯び運転と2人を死傷させた罪は認めた。 亡くなった女性は大阪府内の予備校生で、大学受験のために郡山市を訪れていた。【根本太一】

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする