極右の反移民デモ、警官隊と衝突 英首都ロンドン

(CNN) 英国の首都ロンドンで13日、極右勢力による反移民デモ「ユナイト・ザ・キングダム」が行われ、警官隊と衝突した。警察によると、参加者が物を投げつけるなどして、少なくとも26人の警察官が負傷したほか、25人が逮捕された。 今回のデモは極右活動家トミー・ロビンソン氏が呼び掛けた。反移民デモに対抗する市民団体や反ファシスト団体も集結した。警察は、双方の衝突を避けるため設けられた「隔離区域」にデモ隊が侵入したと説明している。 警察はSNSへの投稿で、立ち入り禁止の区域への侵入やバリケードの突破、反対派への接近を試みるデモ参加者を阻止するために複数の場所で介入を余儀なくされているとし、警察官が暴行を受けていると明らかにした。 ロンドン警視庁幹部のマット・ツイスト氏は声明で、「容認できない攻撃だ」と非難。すでに捜査が始まっており、関与した者は厳しい法的措置を受けることになると述べた。 ロンドンのサディク・カーン市長も「暴力や警官への攻撃は決して許されない」と訴えた。 反移民デモの参加者は英国旗やイングランドの旗を掲げて行進した。あるデモ参加者は、射殺された米政治活動家チャーリー・カーク氏の写真を掲げ、群衆が名前を唱和する場面もあった。 ロビンソン氏は動画で「英国はようやく目を覚ました。愛国心こそ未来であり、国境こそ未来だ。我々は自由な言論を求める」と語った。ロビンソン氏はかつて反移民団体「イングランド防衛同盟(EDL)」を創設した人物。シリア難民への虚偽の非難を繰り返し、法廷侮辱罪で服役した後、今年になって釈放されていた。 一方、カウンターデモとして「スタンド・アップ・トゥ・レイシズム」が行われた。左派のジョン・マクドネル議員やダイアン・アボット議員が演説した。カウンターデモの参加者は「正義も平和もなく、私たちの街にファシストはいない」「これがコミュニティーの姿だ」などと声を上げた。

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