「妊娠した」と告げたら夫が会社をやめた…40歳の元同級生夫婦、妻の困惑

厚生労働省が2025年3月に発表したデータによれば、令和5年度児童相談所が対応した子どもへの虐待の件数は22万5500件余りで、集計をしてから過去最高となり、前の年度より1万件余り多いという。 その内訳は、心理的虐待が59.8%で最も多く、次に身体的虐待(22.9%)、ネグレクト(育児放棄・16.2%)、性的虐待(1.1%)となっている。実母が48.7%、実父が42.3%、実父以外の父親が5%、実母以外の母親が0.4%、その他が3.4%となる。 実の親からの虐待がほとんどだが、「その他」には教育者なども含まれる。2026年12月から運用が始まる「こども性暴力防止法」は、子供に関わる職業の人の性犯罪歴を最長20年間遡って照会する法律だ。学校や認可保育所などは義務ですが、学習塾やスイミング教室などは認定となっている。学校の教員が集団で小学生の女児に対して性的な撮影を行い、逮捕されたのは記憶に新しい。 キャリア10年以上、3000件以上の調査実績がある私立探偵・山村佳子さんは、メンタル心理アドバイザー、夫婦カウンセラーの資格を持つ。「幼い頃の心の傷を抱える人は多いです。信頼する大人からされた心身の暴力は、心を深く傷つけます」という。 山村さんは「困っている人を救える人になりたい」という気持ちが強い。学生時代は警察官を希望していたが、当時は身長制限があり、受験資格はなかった。一般企業に勤務するが、目の前の人を助けたいという思いは強く、探偵の修行に入る。探偵は調査に入る前に、依頼者が抱えている困難やその背景を詳しく聞く。山村さんは相談から調査後に至るまで、依頼人が安心して生活し、救われるようにサポートをしている。 これまで「探偵が見た家族の肖像」として山村さんが調査した家族のことをお伝えしてきたが、この新連載「探偵はカウンセラー」は、山村さんが心のケアをどのようにして行ったのかも含め、様々な事例から、多くの人が抱える困難や悩みをあぶりだしていく。個人が特定されないように配慮しながら、家族、そして個人の心のあり方が、多くの人のヒントとなる事例を紹介していく。 今回山村さんのところに相談に来たのは40歳の大手企業会社員・葉子さん(仮名)だ。「私が妊娠した途端、夫がいきなり会社を辞めてぶらぶらしています。昼間何をしているか調べてほしいのです」と山村さんのところに相談してきたのだ。

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