受け子で「固定給」40万円、「社員証」も所持 詐欺容疑で女を逮捕

投資詐欺の「受け子」として80代男性から現金200万円をだまし取ったとして、兵庫県警は30日、東京都港区南青山4丁目の無職坂田恵美子容疑者(51)を詐欺容疑で再逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。 県警によると、坂田容疑者は8~9月に詐欺容疑などで2回逮捕されている。 捜査関係者によると、「高額バイト」「楽に稼げる」といった誘い文句でSNS上で集められることの多い受け子だが、坂田容疑者は当初、「会社に雇われていたと思っていた」と供述。「固定給」も月に約40万円受け取っていたと説明したという。 坂田容疑者の県警への説明や県警の調べによると、坂田容疑者が受け子になった経緯や手口は次のようなものだった。 6月、坂田容疑者は実在するIT会社の名前で出ていたネットの求人広告に申し込み、社員を名乗る人物とLINEのメッセージでやりとりをした。 この人物に求められて顔写真を送ると、顔写真入りの「社員証」が送られてきた。 仕事は、この人物に指定された日時、場所に「出張」名目で出向くことだった。 ■LINEで「経費」請求も 詐欺グループは被害者らとは事前にSNSでやりとりしていたといい、世の中に一つしかない、紙幣の記番号を撮った写真を被害者に送っていた。 坂田容疑者は被害者と対面したときに「社員証」と、この記番号の紙幣の実物を見せることで相手を信用させ、投資目的として現金を受け取っていたという。 坂田容疑者はLINEでこの人物を通じ、かかった交通費や業務に使った紙の印刷代なども「経費」として請求していたという。 県警幹部は「だいたいの詐欺の受け子は使い捨てにされる。固定給で雇われた受け子は珍しい」と話す。 今回の逮捕容疑は8月ごろ、兵庫県宝塚市の80代男性から現金200万円をだまし取ったというもの。坂田容疑者は現在は黙秘しているという。 県警は、坂田容疑者が6~8月、週に2~3回の頻度で東北から四国にかけて「出張」し、不特定多数の被害者らから現金を受け取っていた疑いがあるとみて、詳しい経緯を調べている。

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