不正改造車に車検で便宜か 自動車整備会社前代表を追送検

車検を不正に通す見返りに金銭を受け取ったとして、大阪府警は20日、大阪府羽曳野市の自動車整備会社「古市モータース」前代表、大黒孝夫被告(59)=道路運送車両法違反罪などで起訴=を加重収賄の疑いで追送検した。捜査関係者への取材で判明した。 大黒被告の会社は国指定の民間車検場で、検査員は道路運送車両法で規定する「みなし公務員」に当たり、収賄罪の適用対象になる。被告も検査員の資格を持ち、車検の合否を判定できる立場だった。 府警はほかに不正車検を依頼・仲介した44~55歳の男性ら5人を贈賄の疑いで追送検した。 捜査関係者によると、大黒被告は2024年7~10月、仲介者らから依頼されて持ち込まれた違法な改造車など計5台について、車検を通した見返りに技術料などとして計約13万円を受け取った疑いがある。 大黒被告は「10年前から依頼を受けて不正に車検を通していた」と説明しているという。実際に整備や点検をせず、書類だけで車検を通す「ペーパー車検」で続けていたとみられる。 交流サイト(SNS)上で投稿されていた違法な改造車によるドリフト走行の動画を府警の捜査員が見つけて捜査を開始。大黒被告の会社が車検を担っていたことが判明したという。 府警は不正に車検を通したとして、大黒被告を道路運送車両法違反などの疑いで3月に逮捕していた。【井手千夏】

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