「頑張ったことを社会が認めてくれた」性被害を実名で告発した女性 父親に懲役8年の判決 9年越しの訴えに一区切り 富山【記者会見詳報】

実父から長年にわたり性被害を受けていた福山里帆さん。自ら刑事告訴に踏み切り、法廷で闘い抜いた末、2025年10月21日、父親に求刑通り懲役8年の実刑判決が下されました。 富山地方裁判所は、里帆さんの供述について「高度の信用性が認められる」とし、一方で父親の弁解を「全く信用できない」「被害者の人格をないがしろにし、愚弄するような発言」と厳しく断じました。 判決後、里帆さんは夫の佳樹さんと共に記者会見に臨み、震える声で、しかし、まっすぐ前を見つめながら、安堵の思いと、ここまでの長く険しい道のりを語りました。 ■「やってよかった」求刑通りの判決に安堵 ――まずは、判決を受けての率直な気持ちをお聞かせください。 里帆さん: すごく安心しました。 ――懲役8年という判決は、当初の想定と比べていかがでしたか。 里帆さん: お聞きしているところだと、検察側の求刑よりも短くなることが多いということでした。求刑通りの8年という判決をいただき、より私の気持ちを汲んでくださったのだと感じています。すごく、やってよかったと思いました。 ――判決を迎えるまで、どのような気持ちで過ごされましたか。 里帆さん: すごく緊張しました。「無罪だったらどうしよう」と考えて、きのうもなかなか寝付けませんでした。 きょうも来るまでも胃が痛くて、(裁判が)始まる前もすごくそわそわして、法廷に入ったときは、思った以上に体が震えました。すごく緊張して、ここまでやって来たことに、どんな結果が下るのかと緊張した。 ■「頑張ったことを社会が認めてくれた」報われた3月の証言 ――判決理由の中で、特に心に残ったことはありますか。 里帆さん: 私のことを「高度に信用に足る」と言ってくれたことです。3月の証言がすごく大変だったので、ここで報われたなと感じました。 「伝わったのかな」「頑張ったことを社会が、裁判官が認めてくれたかな」と、そう思いました。 ――富山地裁は被告人である父親の供述を全面的に否定しました。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする