タイ国籍の少女が違法マッサージ店で働かされていた事件で、少女を日本へ置き去りにしたとされる母親が逮捕された。 少女の母親は売春事件に関わったとして台湾で拘束されていた。当時12歳の娘を都内の違法マッサージ店で働くよう置き去りにしたとして、人身取引などの疑いが持たれ、タイ警察は母親を逮捕した。少女は店で性的サービスをさせられていた。 さらにタイ警察は、事件の背後に協力者がいるとみている。SNSを通じて日本での不法就労を斡旋する事態が取材から見えてきた。タイ語でSNSを調べてみると、日本での違法な労働者を募集するページが見つかった。募集内容には「日給3万円」、そしてわいせつな違法マッサージをうかがわせるものもあった。実際に募集をしていた人物に連絡を取ると、タイ人の女性につながった。 日本での不法就労をあっせんしている女性は「(必要なのは)観光ビザだけです。パスポートがあればすぐに飛べます。今月は18、20、24、27、30日が(来日が)可能です。(仕事先は)東京、名古屋、大阪があります」と話した。「危険ですか?」という問いには「いいえ、12年働いていますが誰も逮捕されていません。とても安全です」と答えた。 一方で、別の人物は日本の取り締まりの厳しさなどを指摘している。「受け入れる店もあるにはあるけど危険。いつ警察が来るかわからないし。新しい政府はとても厳しい。入国も難しくなっています」(日本での不法就労をあっせんしている女性) この件についてはSNSでも「客も全員洗い出して調べてほしい」「客も当然避難されるべき」「約60人の客の誰1人、少女を保護しようとしなかったのか」など様々な声が寄せられている これに女性学研究者の田嶋陽子氏は「本当にその通りだと思う。いつも売る側の女性は責められるけど、買う人がいるから売ろうとしてるわけで、絶対におかしい。こういう声が出てきているのだから、きちんと対応すべきだと思う。」とした上で「買うな」と厳しく批判した。 漫画家の瀧波ユカリ氏も同意して「今回は母親とあっせん業者の話が出てきたが、どんな形でもこういうニュースは、男性が不可視化されている。客もそうだし、売春産業は誰がやってるんですか?という話。矢面に立たされて売春として見える顔は全部女性にされている。買う男の人、売ろうとしてる男の人の話をしてほしい」と自身の考えを述べた。 こうした中、売春防止法のあり方について、高市早苗総理は買う側への処罰の必要性に関して検討を行うことを法務大臣に指示するという答弁を国会で行った。 これに対し田嶋氏は「素晴らしい。頑張ってほしい」と評価。瀧波氏は「むしろ今までこういう声がほとんど出てこなかったことに、どうなっていたんだと思う。高市さんには力を入れて、本気でやってほしい」と、今後の法整備への期待を寄せた。 (『わたしとニュース』より)