頭から出血が止まらず事故の5時間後に亡くなった大地さん(15)翌日は母親の誕生日「事故がなければ花束を手渡しでもらえたはずでした」【前編】

■トラックに時速50kmで約20mはね飛ばされる 2014年12月、愛媛県立伊予農業高校1年の渡邉大地さん(当時15)は、テストを終えて自転車で帰宅中でした。(【画像(1)】大地さんの笑顔 提供:渡邉明弘さん) 自宅近くの信号のない横断歩道で、木材を多く積んだトラックに時速50kmで衝突され、約20mはね飛ばされました。 大地さんは頭を強く打ち、頭からの出血は止まらず、事故から約5時間後に帰らぬ人となりました。大地さんは、ヘルメットはかぶっていませんでした。 2025年12月4日、父親の渡邉明弘さんが、香川県立三本松高校で高校生と教職員を前に、長男・渡邉大地さんを奪った交通事故と、社会の変化を語りました。 ※この記事は【前編・後編】の【前編】です。 ■亡くなった後 母親のために用意した折り紙の花束が見つかった 事故が起きた次の日が、大地さんの母親の誕生日でした。事故から2日後、大地さんの部屋を片付けていた母親が、クローゼットに隠されていた折り紙の大きな花束を見つけました。【画像(2)】 (渡邉 明弘さん) 「大地は、内緒で『折り紙の花束』を作って隠していたのだと思います。事故がなければ、その花束を大地から手渡しでもらえたはずでした」 「妻は、大地からの最後のプレゼントを抱きしめて泣き続けました」 「このように、交通事故は一瞬にして家族の平和を奪います。事故を起こした運転手の家族も、同じように辛い道を進むことになります。大地の同級生も、辛い記憶を抱えて生きていくことになりました」 ■もうひとつの事故 同じ年の3月にも、愛媛県内で高校生が登校途中に横断歩道で車にはねられ、頭を打ち、亡くなっていました。 1年の間に愛媛県内で2人の高校生が同様の事故で命を落としたことから、保護者の不安が高まり、PTAや校長会での協議を経て、2015年7月に愛媛の県立高校で「ヘルメットの着用」が義務化されました。 義務化当初、渡邉さんは不満を抱いたといいます。 (渡邉 明弘さん) 「事故を起こす大人が悪いのに、弱い立場の高校生に負担を押し付けるのは順序が違うと思いました」 しかし、半年後に起きた引き逃げ事故で、その思いは一変します。

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