殺人事件の被害者の遺族でつくる「宙(そら)の会」は7日、東京都千代田区で総会を開いた。1999年に名古屋市西区で起きた女性殺害事件の遺族の高羽(たかば)悟さん(69)も出席。総会後の記者会見で「(他の会員に向けて)何の捜査の進展もみられないという実感の方ばかりだと思うが、諦めない気持ちで活動してほしいと伝えた」と述べた。 高羽さんの妻の奈美子さん(当時32)は、99年11月に自宅アパートの一室で亡くなっているのが見つかった。26年後の2025年10月、愛知県警は、奈美子さんを殺害した疑いがあるとして、安福(やすふく)久美子被告(69)=同市港区=を逮捕。鑑定留置を経て、名古屋地検が26年3月5日に殺人罪で起訴した。 総会には7事件の遺族が参加した。同会の設立当初の目的は、殺人事件の時効制度の撤廃で、活動が実り、時効は10年になくなった。代表幹事として会の先頭に立ち続けてきた高羽さんは、「時効撤廃の恩恵にあずかってしまったという意味で恐縮する」としつつ、「他の被害者も恩恵にあずかってもらいたい」と話した。 ■他事件遺族は「次は我が家だ」 会長で、1996年に上智大生だった娘の小林順子さん(当時21)を亡くした小林賢二さん(79)は、「各遺族の気持ちは同じで、『次は我が家だ』という一言に尽きる」と話した。 また、同会は、長期未解決だった殺人事件の加害者に対しても、損害賠償を求められるよう、法改正を訴える意見書をまとめた。現行法では、不法行為から20年で、損害賠償を求める権利がなくなる。意見書は今後、高市早苗首相などにあてて送る予定という。(藤田大道、堀内未希) ■被告を相手取り提訴する方針も 会見後、高羽さんの代理人の弁護士が報道陣の取材に応じ、早ければ3月中にも、高羽さんが安福被告を相手取り、損害賠償を求めて提訴する方針だと明らかにした。