前比大統領、ICCで拘束続く 同情で支持拡大か 「人道の罪」逮捕から1年

【マニラ時事】フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ前大統領(80)が「人道に対する罪」の疑いで逮捕されてから11日で1年。 同氏を拘束するオランダ・ハーグの国際刑事裁判所(ICC)は、4月末までに正式な裁判を開くか判断する。裁判の行方は、2028年の大統領選にも影響しそうだ。 昨年3月、前大統領は在任中などに麻薬密売人の超法規的殺害を容認したとしてフィリピンで逮捕され、ICCに移送された。その後、体調不良を理由に裁判延期や保釈を求めたが却下された。 先月下旬にICCで審理が行われたが、前大統領は欠席した。検察官は犠牲者が数千人に上るとして責任を追及。弁護側は前大統領が殺害を望んでいた証拠が十分でないとして無罪を訴えた。 前大統領は、かつて市長を務めた南部ダバオを中心に強固な支持基盤を持つ。弁護人はICCの審理で、マルコス政権が逮捕要請に応じたのは、前大統領を政治的に弱体化させるためだったと主張している。 しかし、ダバオの市民社会活動家マグス・マグラナ氏は、前大統領が逮捕により支持を失うどころか、かえって同情票を得たと分析する。前大統領は拘束が続く中、昨年5月のダバオ市長選に出馬し、有効票の9割近くを得て圧勝した。ただ、法律が定める半年以内の就任宣誓をできず、息子で副市長のセバスチャン・ドゥテルテ氏が昇格した。 娘のサラ・ドゥテルテ副大統領は先月、早くも次期大統領選への出馬を表明した。マグラナ氏は、前大統領に集まった同情票をてこにして、サラ氏が幅広い支持を得る可能性があるとの見方を示した。

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