高級腕時計のシェアリングサービス「トケマッチ」で預けられた時計をだまし取ったとして、警視庁は23日、運営会社「ネオリバース」(解散)元社員の永田大輔容疑者(40)=住居不定=を詐欺容疑で逮捕した。永田容疑者は出国先の現地当局に拘束され、飛行機で成田空港へ移送されたという。捜査関係者への取材でわかった。 永田容疑者は同社が解散をホームページで発表した2024年1月31日、元代表の福原敬済被告(44)=業務上横領罪で起訴=とともにアラブ首長国連邦(UAE)のドバイへ出国。25年12月には福原被告が移送・逮捕された。 トケマッチは、預かった腕時計をレンタルするサービスとして、預けた人には預託使用料を支払うとうたっていた。捜査関係者によると、永田容疑者は23年8~12月ごろ、「トケマッチ」のホームページで「レンタルの有無にかかわらず、預託使用料は毎月発生」などとうその内容を掲載。東京都内の30代男性から高級腕時計のロレックス15本(時価計約1800万円相当)をだまし取った疑いがある。 同社は21年3月から事業として腕時計の預かりを始め、同月中旬には腕時計の質入れを始めていたという。警視庁はこれまで、福原被告らが、3都県の124人が所有する腕時計286個(時価計約4億3400万円相当)をだまし取るなどしたとして、詐欺や業務上横領の疑いで立件した。 トケマッチをめぐっては、45都道府県警が腕時計約1700本(時価計約28億円相当)の所有者約650人から被害届を受理。被害届が出ていない分も含め、約2300本が全国の質店などに渡っていたことが捜査で判明している。 永田容疑者らは現金約18億円を得ていた。このうち1億7千万円ほどが暗号資産に換えられ、永田容疑者の暗号資産用の口座に移されていた。この一部が、競馬や競艇に出金されていたという。 永田容疑者は、1月に出国先のUAE当局に拘束されていた。3月上旬に日本へ移送される予定だったが、直前に米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃が始まるなど、中東の情勢が悪化。移送が困難になっていた。その後、各国が停戦に合意したことから、永田容疑者の移送が決まった。現地での身柄の拘束期限も4月下旬に迫っていたという。 一連の事件で、逮捕者は3人目。警視庁は、永田容疑者が腕時計を売却するなどしていたことから、元代表とともに中心的な役割を担っていたとみて調べる。(板倉大地、西岡矩毅)