【マニラ共同】フィリピンで12日、上下両院と地方の中間選挙が行われ、即日開票された。マルコス大統領の陣営は、薬物犯罪対策「麻薬戦争」に絡んで逮捕され、国際刑事裁判所(ICC)に引き渡されたドゥテルテ前大統領の支持者の反感に直面。最重要の上院選で擁立候補のうち2人の離反を招いたが、最新の世論調査で優勢を保つ。大勢は日本時間12日深夜にも判明する見通し。 マルコス氏は9日の選挙集会で、南シナ海の権益を争う中国を念頭に「相手国の軍がどれほど強大でも、領土防衛の決意は揺るがない」と述べ、中国との妥協を模索したドゥテルテ前政権との違いを強調。1期6年限りの大統領任期の前半に経済発展や物価抑制で実績を上げたと訴えた。 ICCの拘束下にあるドゥテルテ氏には、地盤の南部ミンダナオ島の住民や低所得者層が同情を寄せる。麻薬戦争では多くの市民が警官に超法規的に殺されたが、治安が改善したと評価する有権者も多い。