女子中学生による盗難は序章か? 「置き配」が揺るがす信頼社会、都内トラブル4.5倍の構造的リスクとは

2025年7月1日、兵庫県姫路市で14歳の女子中学生が、他人宅の玄関先に置かれていた「韓国のり」を盗んだとして逮捕された。商品はネットで注文され、配達業者が玄関先に届けた「置き配」品だった。 置き配とは、配達員が荷物を玄関前や指定場所に置いていく配送方式を指す。対面受け取りの必要がなく、不在時でも荷物を受け取れることから、ここ数年で急速に普及した。 少女は警察の調べに対し、 「中身が何なのか気になったので持って行ってしまいました」 「(中身が)韓国のりだったのでハズレだと思いました」 「(自分は韓国のりが好きではないので)友達にあげました」 と話しているという(ABCテレビ)。行為の軽さは、まるでスナック菓子をコンビニで万引きする感覚に近い。 この事件を子どものいたずらとして済ませるのはたやすい。あるいは、防犯意識が足りないとして受取人や配達業者に責任を転嫁することもできる。だが、そうした見方では問題の本質に届かない。 いま本当に問うべきは、「なぜ、こうしたトラブルが繰り返されるのか」ということだ。そしてその背景には、置き配という仕組みが抱える脆弱性と、社会全体の認識ギャップが潜んでいる可能性がある。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする