【AFP=時事】イタリア・ベネチアで今週、ユダヤ人観光客2人が10人の集団に囲まれ暴行を受けた事件で、地元警察は11日、3人を逮捕したと発表した。イタリアの政治家たちはこの事件を強く非難している。 ベネチアのシモーネ・ベトゥリーニ副市長(観光担当)は、「外国人ユダヤ人観光客2人が10人の集団に囲まれ、暴行を受けた」「恥ずべき反ユダヤ主義的攻撃だ」とソーシャルメディアに投稿した。 集団暴行は数日前、リアルト橋近くの大通り、ストラーダ・ノバで発生したという。 ダニエーラ・サンタンケ観光相のX(旧ツイッター)投稿によると、ユダヤ人2人を襲ったのは10人ほどの「北アフリカ人」で、「パレスチナを解放せよ」と叫んでいたという。 イタリア当局は、容疑者の身元や状況を公表していない。 だが、ベネチア警察のガエターノ・ボナコルソ署長は国営イタリア放送協会(RAI)に対し、集団暴行に絡み3人を逮捕したと述べた。 うち1人は母国に強制送還され、もう1人は移民収容施設に送られたという。 ベネチアのルイジ・ブルニャーロ市長は、被害者を「ユダヤ教を信仰する米国市民2人」と呼び、集団暴行を「容認できない」と非難。 「ベネチアは開かれた、歓迎的で、安全な都市であり続けなければならない」と述べた。 ANSA通信によると、集団暴行は8日午前0時すぎに発生した。 欧州諸国では、パレスチナ自治区ガザ地区でのイスラム組織ハマスとイスラエルの紛争を受けて、反ユダヤ主義的な攻撃が急増している。 イタリアのユダヤ文化研究所CDECによると、2024年の反ユダヤ主義行為の件数は前年比で倍増した。 現地メディアによると、8月にも同様の事件が発生し、リアルト橋付近でユダヤ人系米国人夫婦が3人組の男に襲われたという。【翻訳編集】 AFPBB News