天理大、62-0で連覇へ再出発の大勝!6月部員逮捕…活動停止乗り越え連帯感高まる 上ノ坊駿介共同主将「ホッとしている」

◆関西大学ラグビーAリーグ▽開幕節 天理大62―0関大(14日・花園第1) 開幕節の4試合が行われ、6月に部員2人が大麻所持の疑いなどで逮捕された天理大が、62―0で関大を下した。7月末までの活動停止、小松節夫監督(62)の3か月の職務停止処分を経て、10トライ(T)を決めて連覇へ再出発した。同大は29―12で近大を破り、4季ぶりの開幕勝利。4季連続全国4強の京産大も摂南大を60―0で破り、関学大は立命大を41―17で下した。 感謝の気持ちを表現する圧勝だった。前半3Tで主導権を握った天理大は、後半も7Tを重ねて完勝。SO上ノ坊駿介共同主将(4年)=石見智翠館=は「試合後のあいさつで拍手をいただいた。勝てたことも併せて、ホッとしている」と、再スタートの一歩目をかみ締めた。 6月、春季トーナメント初戦で関大に敗れた直後だった。部員2人の逮捕で部全体の活動が停止され、小松監督は3か月職務停止となった。ショックは大きかったが「細かいルールから徹底しよう」(上ノ坊)と足元を見つめ直した。浮かび上がったのは、選手同士のつながりの希薄さ。指揮官は「親身になって互いを見るより、人に無関心な点が招いた部分もあると思う」と振り返る。日常からラグビーに意識を集中し、部のルールに反した選手には選手同士で指摘。ドラッグ研修も数回受け、「あの一件があって、150人全員が同じベクトルになれたと思う」(上ノ坊)と、連帯感を高めた。 全寮制で、寮のルールも以前より厳しくなった。改めて統一したのは「自分たちはラグビーをしに来ている」という姿勢だ。休みの日でも、遊びに出歩く選手は少なくなったという。WTB平松麟太郎(4年)=日新=は「その分、試合では思う存分暴れよう」と後半2T。思うようにラグビーができなかった春とは見違える成長を示し、どう猛に80分間プレーした。「自分たちが関西一やぞ、と。今年こそ日本一を目指す」。一昨年まで3年連続全勝Vの好敵手、京産大のスコアを2点上回り、関大には春のリベンジを果たした。 上ノ坊はリーグ戦開幕にあたり、「感謝の気持ちを持って、一試合一試合ひとつになりたい」と、結果はもちろん、出場できることへの感謝を繰り返した。「去年よりも1試合に懸ける思いは強い」。シンプルに、頂まで目の前の1勝を積み重ねる。(森口 登生)

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