占いの客に「ハイクラスの腕時計を持つとお守りになる」と告げ、買わせた高級時計を質に入れたとして、福岡県警は25日、福岡県飯塚市の無職、田斉法子容疑者（51）を横領の疑いで再逮捕し、発表した。「黙秘します」と供述しているという。 捜査2課によると、田斉容疑者は占星術師をしていた2022年9月、福岡市に住む女性客（46）のロレックスの腕時計（時価200万円）を質店で質入れし、190万円を横領した疑いがある。 この腕時計は、田斉容疑者が女性に「ハイクラスの腕時計を持っていると、悪い気を寄せつけないお守りなる」と告げ、同伴した東京都内の百貨店で購入させたという。 その後、「お守りのパワーが弱くなっているから、おまじないをかけてチャージする」と伝え、腕時計を預かった。 その際、腕時計の箱と鑑定書を一緒に持ってくるよう指示していたといい、質入れするつもりで腕時計を預かったと同課はみている。 田斉容疑者は、占いを通じて接点ができた客らに架空の投資を勧めた疑いがあり、県警によると口座の記録などから被害は約70人、計約20億円に上る可能性があるという。 9月4日には、福岡市内の50代女性に「建物の土台に水晶を埋め込んで風水調整して、付加価値をつけて売却する。配当金が受け取れる上、元金が返ってくる」と持ちかけ、現金1千万円をだまし取った疑いで逮捕されていた。（飯島健太）