報告の徹底やカメラ探知機導入 北海道教育長が盗撮再発防止策を報告

教員らが女児の盗撮画像などをSNSで共有していたとされる事件で、千歳市の中学校教諭が逮捕されたことを受け、北海道教育委員会の中島俊明教育長は8日、今後の対応方針を示した。再発防止策として、懲戒処分が疑われる事案の道教委への報告の徹底やカメラ探知機の導入などを挙げた。 この日の定例会見で、中島教育長は逮捕について「学校教育に対する信頼を著しく損ない、誠に遺憾」と述べた。 逮捕された40代の中学教諭は、道内の施設で16歳未満の少女の性的な姿を撮影しグループチャットに動画を投稿して共有するなどしたとして、愛知県警に性的姿態撮影等処罰法違反容疑で逮捕された。「ネットなどで盗撮動画を見て自分もしてみたいと思った。軽い気持ちで投稿した」などと供述しているという。 この教諭をめぐっては、市教委や学校に、複数の保護者から問題行為の指摘が寄せられていた。部活の指導中に女子生徒の容姿について言及したり、頭を触ったりしたほか、「床に寝そべって盗撮をしているのでは」との指摘もあったという。 市教委や学校は、訴えが寄せられるたびに聞き取りを行ったが、本人は否定。事実確認ができなかったことから、学校は道教委へは報告せず、主顧問から外して複数の教員で指導させるなどの対応をとっていた。 この件を受け、道教委は9月22日付で、市町村教委などに対し、「懲戒処分が疑われる事案の適切な報告について」とする通知を出した。報告すべき事案として「児童生徒の身体に不必要な接触を行い、児童生徒または保護者から不快などの訴えがあった」「管理職の許可を得ずに教職員と児童生徒と1対1の状況で、私的なメールでのやり取りがあった」などを例示している。 中島教育長は「報告があれば、違った対応があったかもしれない」とし、なぜ報告がなかったのか検証が必要との考えを示した。 このほか、再発防止策として盗撮防止のためのカメラ点検を、学期ごとに管理職を含めた複数人で行うこと、相談窓口の周知をはかることなどを挙げた。 道教委や札幌市教委では、一連の教員による盗撮事件を受け、職員が私物の端末やスマートフォンなどを児童生徒が活動する場所に持ち込むことを原則禁止とするなどルールの厳格化を進めている。(鈴木優香、佐藤亜季)

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