米連邦捜査局(FBI)は現地10月23日(日本時間24日)、全米各地で違法ポーカーゲームの不正操作に関与したとして、計31人を訴追・逮捕したと発表した。起訴された中には、殿堂入りし、現在ポートランド・トレイルブレイザーズのヘッドコーチを務めるチャウンシー・ビラップス、デイモン・ジョーンズ(元キャバリアーズほか)の名も含まれているほか、NBAの発表によるとテリー・ロジアー(ヒート)もチームから即時に活動停止処分となったとしている。 米ニューヨーク東地区連邦地検の発表によると、今回の事件では、ニューヨーク市やイーストハンプトンなどを中心に、ボナンノ、ガンビーノ、ジェノベーゼの3つのイタリア系犯罪組織のメンバーや関係者が、高額な違法ポーカーゲームを運営し、不正な手段で金銭を得ていた疑いがあるとしている。 主犯格らは特殊な無線技術を使用し、カードの順番を事前に把握。共犯者にその情報を伝えて賭けを操作し、被害者から少なくとも700万ドル(約10.7億円)以上を不正に得ていたとされる。手口としては、改造されたシャッフルマシンや特殊なコンタクトレンズ、サングラスなどを使ってカードの情報を読み取る仕組みが含まれていたと紹介。さらに、詐取金は複数のシェル企業を経由して洗浄され、マフィアの資金源として流れていたとされる。 FBIはまた、これらの不正ポーカーゲームは2019年頃から全米に拡大。ニューヨーク市内のレキシントン・アベニューやワシントン・プレイスに設けられた非合法賭博場では、暴力的な取り立ても行われていたと発表。司法当局は「著名な元NBA選手が“フェイスカード(客寄せ役)”として利用され、一般の参加者を引き寄せた」と声明を出しており、ビラップス氏やジョーンズ氏はこの役割を担っていたとみられる。 被告人は、詐欺、恐喝、強盗、マネーロンダリングなど7件の罪状で起訴されたており、有罪と認定されれば、長期の実刑が科される可能性もある。