【AFP=時事】ナイジェリア軍のオルフェミ・オルイェデ次期国防参謀長(中将)は29日、同国軍はイスラム過激派組織との戦いに勝利するのに十分なリソースを有していないと述べ、警察力の強化を国に求めた。 ボラ・ティヌブ大統領から次期国防参謀長に指名されたオルイェデ中将は30日の就任式を前に、首都アブジャの議会上院で演説。 「リソースが十分でないことは誰もが承知している」「テロリストや盗賊との戦いを遂行することが非常に困難になっている」と述べた。 最近のクーデター計画の報道を受け、ティヌブ大統領は先週、軍幹部を刷新した。 少なくとも16人の将校がクーデター計画の疑いで逮捕されたとの報じられたが、ティヌブ政権と軍は公式に否定し、懲戒問題をめぐる逮捕だと主張している。 ナイジェリアは、2009年にイスラム過激派組織「ボコ・ハラム」が蜂起して以来、北東部でイスラム過激派との戦闘を続けている。紛争は国境を越えて広がり、ボコ・ハラムから分派したイスラム過激派組織「イスラム国西アフリカ州(ISWAP)」など、危険な分派組織が次々と誕生している。 イスラム過激派による襲撃は10年前のピーク時と比べて減少こそしているが続いており、ほとんどは地方部で起きている。地方部では軍の兵員が足りず、警察を含む国家機関は長らく弱体化しているが、不在となっている。 ■警察組織改革 北西部と中部の農村部では、家畜泥棒や拉致を行う「盗賊団(バンディッツ)」も跋扈(ばっこ)している。 南東部でも、分離独立派グループに関連した小規模な暴力行為が発生している。 オルイェデ中将は、コストを削減するため、より多くの武器や軍曹部品を国内生産すべきだと主張した。 ナイジェリアは、米国、中国、トルコ、ブラジル、パキスタン、オランダなどから武器を輸入している。 オルイェデ中将はまた、政府に対し「警察の再建」を求めた。 「現在、軍が行っている仕事のほとんどは、実際には警察の管轄下に属するものだ」「国家にとって重要なのは、警察の権限を強化することだ。警察をより強靭なものにし、任務を遂行できるようにすれば、われわれ軍はナイジェリアを外部からの侵略から守ることに集中できる」と訴えた。【翻訳編集】 AFPBB News