M―1グランプリ2022王者のお笑いコンビ「ウエストランド」の井口浩之が初となる単著 「悪口を悪く言うな!」(1650円、Gakken)を12月18日に発売することが14日、発表された。 同書では井口の真骨頂である「愚痴」を厳選。活字で人の愚痴を読むというまれな読書体験ができる同書についてスポーツ報知の取材に応じた井口は「みんなが読んでどう思うか。反応が気になります。どっかは共感できると思う。マジにはならないでほしい」とアピール。 同書によって「みんなまじめに仕事して、悪口とか言っちゃいけないと思ってると思うけど、『こんなこと言っていいんだとか』思って気持ちが楽になってくれたらうれしいですよね」と悪口がポジティブに作用することを願っている。 井口は22年のM―1グランプリ決勝で披露したネタ内で「YouTuberが警察に捕まり始めている!」と発言。その後、実際に迷惑系YouTuberが逮捕される事案などがあり、SNS上では「予言者」と呼ぶ声も。本人も「僕は物事に早めに怒っているから『悪口』とか『愚痴』とか言われるんですけど、結局のこと僕があってるんですよ」と主張した。 井口はさらに「僕がずっと文句を言ってきたタッチパネル式の自動販売機もなくなってきている」「ずっと秋と春はないと言ってきて、今年の流行語大賞に『二季』がノミネートした」と近年の”愚痴“を例にあげ、「僕が主張してきたことが実際現実になってきている。この本もノストラダムスのような感じで『予言書』として読んでもらってもいいと思う」と自任した。 楽屋でも舞台の上でもテレビの中でもとまらない井口の愚痴。原点はいつかと聞くと、「少なくとも中学の卒業アルバムの寄せ書きには担任の先生から『愚痴ばっか言ってないでちゃんとやれ』って書いてあるので。ずっと言ってましたね。世の中を正したいという思いですから」と回答。 2022年にはM―1グランプリで優勝を果たし、周囲からは「満たされて愚痴も言えなくなるんじゃないの」という言葉もあったが、「なんかって言ってきたやつもいたんですけど、僕はそうは思わなかった。世の中の出来事はなくならないわけだから愚痴もなくらないんですよ。実際に(愚痴は)減ってないし、僕が正しかったですよね。『満たされて…』って言ってきたヤツは謝ってほしい」と現状も愚痴が枯れる様子はなかった。 同書が成功したら次はどんな本を出版したいか。「小説を書きたい気もするし、めんどくさい気もする」と笑いつつ、「なにも起きない恋愛の話を書きたい。そんなものじゃないですか人生。最後の方に出てきたマッチングアプリで出会った普通の人と駆け込むように結婚する、そんなリアルを書きたいです」と構想を明かした。 最後に、「(ピン芸人No.1決定戦の)R―1には夢がない」と叫んだネタでM―1を優勝してから3年がたった今の井口の夢を聞くと、「芸人としてずっと活躍し続けたい」と答えつつ、「そういえば小学生の頃とか将来の夢聞かれるのほんと嫌だったなあ。『そんなもの今から考えてもなれるわない』って卒業アルバムに書いてました。みんなサッカー選手にもお花屋さんにもなってないんだから、やっぱり僕だけがあってましたね」と「愚痴」の原点を回顧した。(瀬戸 花音)