【12月26日 KOREA WAVE】韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)前大統領が高位公職者犯罪捜査処(公捜処)と警察による逮捕状執行を妨害した疑いなどで今年1月に起訴された事件の第1審が、12月26日に結審する。 法曹界によると、ソウル中央地裁は同日午前10時15分から公判を開き、特別検察官側の論告求刑とユン氏側の最終弁論を受ける。判決言い渡しは2026年1月16日を予定している。 特別検察官は、ユン氏が大統領在任中に逮捕執行を阻止し、職権を濫用したとして、重刑を求刑する意向とされる。法曹関係者の間では「特別公務執行妨害罪」の最高刑である懲役7年6カ月を軸に、合計で懲役10年以上が求刑される可能性が高いとの見方が出ている。 問題となったのは、2025年1月3日。公捜処と警察が当時のユン大統領の逮捕状を執行しようとしたが、大統領警護処がこれを阻止し、実行されなかった。特別検察官は、ユン氏がこの過程で事実上の指示者として逮捕執行を妨害したとみて起訴に踏み切った。 この事件では、ユン氏が昨年12月の非常戒厳令発令時に、国務委員(閣僚)18人中9人のみを召集し、残りの審議・議決権を侵害した疑いも審理対象となっている。また、戒厳解除の2日後に事後的に戒厳令の公文書を承認し、最終的に破棄したことも問題視されている。 ユン氏は2024年12月3日に戒厳令を発令して以降、計7件の事件で起訴され、現在1審が進行中。本件の他に、内乱の首謀者としての審理も進められており、そちらの結審公判は来年1月に予定されている。 司法関係者の間では「いずれの事件も来年2月の司法人事異動前に判決が出る可能性が高い」との見方が支配的だ。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News