違法スカウトG「ナチュラル」は一般企業顔負けの組織体系 スカウト方法は「1000円〜2000円握りしめて…」「LINEを聞くまで女性は解放されない」

違法スカウトグループ「ナチュラル」会長が奄美大島で逮捕された。ナチュラルは少なくとも全国に約1500人のスカウトを抱え、女性をスカウトして性風俗店などに派遣。年間45億円ほど稼いでいたとみられる。 その組織のトップである「ナチュラル」の会長・小畑寛昭容疑者(40)は、2023年に東京渋谷区で暴力団にみかじめ料60万円を支払った疑いで、潜伏先の奄美大島で逮捕された。公開捜査からわずか5日目のことだった。 警視庁によると小畑容疑者はおよそ1年間、都内近郊や西日本を転々と逃げ回っていたとみられており、奄美大島のホテルは去年12月21日から45日分を予約していた。ホテルは偽名で部屋も変えるなどし、手配時の写真とは髪とひげを伸ばしてだてメガネをするなど見た目も変えていた。 小畑容疑者を知る飲食店の人物は「いつも1人で来ていて、携帯2台持ってなんかやりとりをやってました。ずっとゴニョゴニョ話してて、話しながら指示しているような、そんな感じ。『お願いね』とかなんとか」と証言している。捜査状況の確認や逃走資金を誰かに指示していたのだろうか。 ナチュラルとは一体どんな組織なのか。「組織は会社形態に近い。少し知能化した犯罪者集団。ただのスカウトグループではない」そう話すのは、長年ナチュラルを取材してきた、元産経新聞警視庁キャップでノンフィクション作家の尾島正洋氏だ。 その手口について「新宿の繁華街で、そこを通りかかる女性に次から次へと声をかける。昼の仕事をしている女性に『夜アルバイトをすれば10数倍の稼ぎがある』というような、スカウトトークで勧誘する。一度声をかけると、その女性とLINEを交換するところまで達しないと女性たちが開放されないという、実際に声をかけられた女性の証言もある」と説明。 尾島氏によれば、ナチュラルは一般企業顔負けの組織体系を構築していたという。スカウトを担当する部署のほか経理課や、女性を派遣する先の風俗店を開拓する契約課、警察の対応をする部署まであったそう。朝日新聞によると、数千万円をかけて独自アプリを開発してメンバーを管理。警察をウイルスと呼んで敵視し、独自アプリで捜査員の顔写真を共有していたという。 女性を派遣した性風俗店からはスカウトバックと言われる一定の金額が、女性が勤務する期間中ナチュラルに支払われていたとされ、それが収入源とみられている。契約している女性を辞めないようにサポートする部署まで存在していたという。 尾島氏は「路上で声をかけるということもありますけど、ほかにSNSで募集するとか、その辺で匿名性がある。あとメンバーの入れ替わりが激しく、流動的であるということで、警察は匿名流動型犯罪グループ、トクリュウという組織であるという風にみている」と解説。 「とにかくお金があるから、荒稼ぎできるから暴力団が接触してくる。そこで資金を提供していれば後ろ盾になってくれて、お互いに良好な関係だけど『暴力行使の本家本元』の暴力団に対して暴力を振るう。これはただのスカウトあっせん業ではない。警察として警戒が必要なグループ」と続けた。 元徳島県警捜査1課警部の秋山博康氏は新宿歌舞伎町や渋谷で聞き込み取材を実施した。歌舞伎町が地元だというスカウトの男性は、ナチュラルについて「歌舞伎町のルールで、ナチュラルは関わってはいけない。やらかすことが多い。いざこざに巻き込まれないように」と証言。ほかにも「そこら辺にいるのはほとんどそう(ナチュラルのキャッチ)」「闇バイトと変わらない。入るときは『免許証のコピーとか全部渡せ』」といった証言もあった。 風俗案内所の男性は秋山氏に「ナチュラルってこの辺もよくいた?」と問われると「めちゃくちゃいる。けっこう名前がコロコロ変わる。誰が誰かわからない、いすぎて」とコメント。スカウトの方法については「(ナチュラルのスカウトの)流れ的には1000円〜2000円握りしめて、歩いている女性にパッと渡すような仕草で、受け取ったらだいたい話聞いてくれる。あと電話番号交換とか。ニンジンぶら下げるような感じ」と証言した。 取材を進めると、数年前に小畑容疑者と接触があったと話す男性に出会った。男性は「(小畑容疑者と)1回もめているけど、それ以来関わってない。ナチュラルのやつがテリトリーから出ていて『お前邪魔だ』から始まって、取っ組み合いになって。(相手の)頭切れた。自分で服を破って包み被せられて。わちゃわちゃしていたから終わらそうと…お互いやめようってなって、その時は離れた」と振り返った。 渋谷にある風俗案内所の男性は「いま、外でのスカウト(摘発の恐れがあるから)危ないじゃないですか。SNSを使って女性を集めてお店に紹介している。表には出ない」と語り「この辺の風俗店に入っている女性は大半がナチュラル。全部そう。でないと成り立たない。デリヘル。女性には優しいところがある。稼ぐから。スカウトもしつこい。お金ですから……。稼ぐスカウトだったら(1人で)毎月500〜600万円くらい稼ぐ」と証言した。 秋山氏は実際にナチュラルのメンバーとの接触を試みたものの「ちなみにナチュラル?」と尋ねると、スカウトたちは「違います」「わからない。いるんじゃないですか、探したら」「俺ら、ナチュラル違う。“ナチュ”はあっち」「顔出しじゃ言えない…」「わからない。いろいろ紹介しているので」「僕たちには情報入ってこない」と答えるのみだった。 秋山氏は取材を振り返り「小畑容疑者が逮捕される前にも歌舞伎町に取材に行ったが、そのときは本当にナチュラルらしきスカウトがいっぱいいた。けどやはり、上のほうから『ナチュラルって言うな』と言われているのか、それは言わなかった」と、容疑者逮捕以前も自らナチュラルと名乗る人物はいなかったとコメント。 「他の会社のスカウトは『あの辺りはみんなナチュラル』『やり方も汚い』『2000円示しながら勧誘する』と(証言していた)。しかし小畑容疑者が逮捕された後に行くと、大体みんな(口に)チャックだった。やはりトップが逮捕されたとニュースになっているから『いらんことは言えない』と、みんなチャックだった」と振り返り「(スカウトに)出ると警察の取り締まりがうるさいと。だからいまインスタで女性をキャッチしている、そういう聞き込みもあった」と続けた。 公開手配から5日というスピード逮捕については「公開したから逮捕できた。警察のやる気だ。そもそも去年の1月には逮捕状が出ていて、指名手配は打ってなかった。去年の11月に指名手配を打った。けどまだ捕まらなかった。今年に入って1月22日にあえて顔写真を報道で公開手配し、その5日後に逮捕された。やはり情報が命で、警視庁の暴対がその日に情報があって10人がパッと行って。迅速なフットワークが非常に大事」と説明した。 小畑容疑者については「元々は地元(立川)の方でやっていたらしいが、歌舞伎町に変わってきて段々スカウトを増やしてきた。周りの聞き込みでわかったが、ほかの会社のスカウトもいるんですけど、キャッチするには技術がいるらしい。いいやつを見つけたら引き抜くらしい。それで段々と組織、グループが大きくなった」と、組織のトップになっていった経緯について語った。 (『ABEMA的ニュースショー』より)

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