【04月24日 KOREA WAVE】「息子の結婚式から戻ったら、ご祝儀がなくなっていた」 2020年4月に江原道横城郡、同年9月に江原道原州市、2024年5月に江原道春川市――韓国で、同じ手口の住宅窃盗事件が3件発生した。被害者が子どもの結婚式で家を空けている間に、装身具や数千万ウォンに上るご祝儀が盗まれていた。 事件は2025年まで未解決のままだった。防犯カメラ映像や犯人の足跡は残っていたものの、身元の特定には至らなかったためだ。唯一の手がかりは、防犯カメラに映った足を引きずるような歩き方だった。 現場鑑識は、江原警察庁広域科学捜査1チームのキル・サンス警部補が担当した。キル警部補は江原道内の10カ所を超える警察をはじめ、全国各地で数十人の刑事と接触し、類似事件を追跡した。粘り強い捜査の末、同様の手口を経験した刑事たちが現れ、一部は証拠資料を直接提供した。 転機は2025年4月だった。キル警部補が防犯カメラ映像を見せた瞬間、ある刑事が犯人特有の歩き方に気付いた。5年間追っていた窃盗犯の行方が明らかになった瞬間だった。 確認の結果、犯人は60代の無職の男で、2025年9月に江原道楊口警察が窃盗容疑で逮捕し、裁判を受けていた。警察は足跡や犯行手口を照合し、3件の窃盗事件と同一人物であることを突き止めた。 男は地域の日刊紙に掲載される結婚式情報を悪用して標的を探していた。農協組合長など地域の有力者の子どもの結婚情報を確認し、「ご祝儀を渡したい」と持ちかけて住所を把握していた。面や邑単位の地域で、結婚式前日に親の自宅を訪ね現金でご祝儀を渡す慣習を狙った犯行だった。 キル警部補は男に余罪があるとみて、犯罪分析を担当する江原警察庁科学捜査係のカン・スルギ警査に支援を要請した。キル警部補とカン警査はそれぞれ14年、11年の経験を持つベテランで、指紋や防犯カメラ、足跡などの証拠収集と犯罪分析、3D顔認識などを組み合わせて捜査を進めてきた。 カン警査は「結婚式」「ご祝儀」などのキーワードを手がかりに、約10年間に発生した同様の未解決窃盗事件を洗い出した。2人は数日にわたり徹夜で数千件に及ぶ事件を照合し、DNAや足跡、防犯カメラ映像などを分析して、未解決事件が同一犯によるものと特定した。 その結果、警察は同じ犯人が2014年以降、江原道、慶尚道、全羅道など全国46カ所で犯行を繰り返していた疑いを把握した。このうち証拠が明確な10件を立件し、2026年2月に容疑者を逮捕して検察に送致した。確認された被害額は約1億ウォン(約1077万0000円)に上った。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News