5億円超現金で手渡し 特殊詐欺元検事に聞く矛盾

現金でおよそ5億3450万円を犯人グループに手渡していました。 佐賀で起きた特殊詐欺事件。 相次ぐ被害で連日報じられている中、なぜ騙されるのかそのポイントを専門家に聞きました。 一連の事件の起こりは今年2月、佐賀県に住む60代の女性にかかってきた一本の電話です。 通信会社名乗る男「あなたが契約している電話番号が迷惑番号に登録されている」「詐欺に使われていて被害届が出ているので警察に電話をまわします」電話口は通信会社の社員を名乗る男。 そのあと電話やビデオ通話などに次々と登場人物が出てきます。 刑事A、刑事B、検事。 刑事を名乗る男「逮捕状が出ている」 検事を名乗る男「あなたの行動を監視する。ネットや人と接触をしないように」 そしてその4日後、あらためて女性に検事を名乗る男から電話がありました。 検事を名乗る男「優先調査をするために、身柄拘束から資金拘束に変える。警察職員が自宅に向かう」 女性はその後、6回にわたって現金を警察を名乗る男に渡したといいます。 その額合わせて、およそ5億3450万円。 検事など捜査機関が次々登場する今回の事件、元東京地検などで検事を務めた三角亘平弁護士によると通常の捜査ではありえない点が満載だという。 三角弁護士「令状を取って逮捕することを決めているんだったら、告知したら逃げられる」「あなた明日逮捕しますよ。あるいは令状出ていますよ。こんな連絡をすることはない」 Q現金で受け取りに行きますというのは?「100%ないです。現金受け取りというのは、証拠を残さないための詐欺の典型的な手口です」 警察によると女性はまったく詐欺だと気づいていなかったといいます。 なぜ騙されてしまったのでしょうか。 三角弁護士「警察に確認してみたら捕まるかも。検察に確認してみたら即逮捕なのかもという、心理的な障壁を利用されているなと思う」 「うっかり口座を使われていたのが仮に真実だったとしても、過失の詐欺罪はないので、捕まることはあり得ないので、警察・検察から連絡がいくことはない」 この事件をめぐって佐賀県警は一部容疑に関与した疑いで神奈川県横浜市の自称アルバイト・田中俊晃容疑者(25)を逮捕しました。 事件の全容解明へ捜査が続きます。

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