ミャンマーを舞台にした国際的詐欺に絡み、宮城県の高校生の少年(17)をタイから詐欺拠点のあるミャンマーへ連れ去ったとして、県警は7日、住所不定、無職藤沼登夢(とむ)容疑者(29)=別の監禁罪などで起訴=を被略取者等所在国外移送の疑いで逮捕し、発表した。認否を明らかにしていない。 県警によると、藤沼容疑者は1月10日、少年が誘拐されたと知りながら、タイの空港で落ち合い、そこからミャンマーに連れ去った疑いがある。少年はオンラインゲームで知り合った相手から「簡単な作業で金がもらえる」と誘われたという。 捜査関係者によると、少年は1月9日に成田空港からタイに渡航し、その後ミャンマーの詐欺拠点で、にせの電話をかける「かけ子」として働かされていたとみられる。家族が県警に行方不明者届を出しており、1月中旬にタイ当局に保護され、帰国した。 県警などは、オンラインゲームを通じた誘いの過程に藤沼容疑者が関わった可能性があるとみて、経緯を調べている。 藤沼容疑者は2月、ミャンマーからタイに入国した際にタイ当局に拘束された。日本へ強制送還され、3月に大阪府警が別の知人男性に対する監禁容疑などで逮捕し、4月に起訴された。(手代木慶) ■「リクルーター役」か、ミャンマー拠点詐欺では初の摘発