凶悪事件に速やかに対応しようと先日、福島県警がある訓練を行いました。その鍵となったのがスマートフォンです。写真や映像をすばやく送れるその機能を活用して犯人逮捕に役立てます。 この日、福島市では県警の訓練が行われました。訓練の想定は、犯人がタクシー運転手から現金を強奪。その後、持っていた刃物で通行人を切りつけて逃走すると言うものです。 実は、今回の訓練。ある機能を使うことに重点が置かれていました。それが、スマートフォンです。 警察「犯人はいますか?」 通報者「犯人は男一人で逃げて行きました。」 警察「どこに逃げて行きましたか?」 通報者「まちなか広場から北の方に逃げて、犯行の状況を動画に撮りました。」 警察「動画を送ってもらうことは可能ですか?」 通報者「はい、大丈夫です。」 実は、福島県警。2023年春からスマートフォンを活用する「110番映像通報システム」という仕組みを取り入れています。警察から送られてきたショートメッセージのURLから通報者が自ら映像を送信。映像は県警本部の通信指令課を通じて、現場にいる警察官などに共有されます。 訓練では、映像で犯人の特徴を把握した警察官が街中にいた犯人を見つけ出し、事件を解決しました。 スマートフォンが普及する今、だれでも事件現場で写真や映像を取ることができます。 この機能性を事件解決に役立てようと「110番映像通報システム」は今、全国の警察で活用されています。福島県内ではこれまでの2年間で570件利用され、郡山市のスーパーで発生した事後強盗事件では、犯人の早期逮捕につながったといいます。 ■福島県警 増子 浩 通信指令課長 「「110番映像通報システム」は視覚で捉えているので、迅速かつ的確な無線指令により、速やかな事件事故の解決に結びつく。スマートフォンで撮影した映像、必要があればこちらから依頼しますので、ぜひご協力してもらいたい」