天安門事件から36年 世界で追悼行事 香港では「聖地」が一変

中国共産党・政府が学生らの民主化運動を武力弾圧した天安門事件から4日で36年となり、世界各地で犠牲者らの追悼集会が開かれた。台湾・台北市中心部の中正紀念堂前での集会には市民数百人が参加。事件の日付「8964」の形にキャンドルライトをともして、民主化を求めて犠牲になった学生らの死を悼んだ。 台湾南部・台南市の会社員、劉亜玲さん(42)は、友人らと観光に訪れて偶然集会を知り参加した。「普段は事件を思い起こすことはほとんどないが、忘れてはならない歴史だ。台湾で民主主義が壊されたりしないよう、自分たちが守っていかなくては」と話した。 米国やカナダ、英国などでも4日を中心に追悼集会や座談会が開かれ、在住華人らが参加した。 一方、かつて数万~数十万人規模の追悼集会が行われていた香港では抑圧の動きが広がる。2020年に施行された香港国家安全維持法の影響で、集会を企画してきた民主派団体が次々に解散に追い込まれ、24年5月にはインターネット上で追悼の投稿をした民主活動家らが「中国や香港政府への恨みをかき立てようとした」として国家安全維持条例違反容疑で逮捕された。 香港メディアによると、追悼の聖地とされたビクトリア公園では4日、親中派団体が中国各地の食を紹介するイベントを行った一方、付近には制服・私服の警察官らが多数配置され、ものものしい雰囲気に包まれた。【台北・林哲平】

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