不正に入手した他人のキャッシュカードを使用し、ATMからおよそ50万円を引き出して盗んだ疑いで20代のベトナム国籍の男が逮捕されました。特殊詐欺事件の「出し子」と見られます。 逮捕されたのは福岡県福岡市に住む飲食店従業員のベトナム人の男(28)です。安芸警察署の調べによりますと、男は2024年9月26日、福岡市にあるATMから、不正に入手した他人のキャッシュカードを使用し、現金およそ50万円を引き出して盗んだ、窃盗の疑いがもたれています。 この口座は特殊詐欺に利用されていたと見られています。9月中旬、安芸市の住民がSNSを利用していると「動画の画面をスクリーンショットして送信したら報酬が得られる」というページを見つけました。 この住民は指定されたアプリをダウンロードして動画画面のスクリーンショットを送信したところ、登録した自身の口座に報酬金が振り込まれたといいます。 その後も、「より高い報酬を得るためにグループアプリに入らないか」「より高い報酬を受け取りたければ手数料を振り込んで」などと誘われ、その話にのったところ「入金操作方法に間違いある」「メンバーに迷惑がかかるから賠償金を払え」などと言われて、70万円を支払ってだまし取られていました。 住民は10月になって安芸署に被害届を提出し、警察が捜査したところ、ベトナム人の男が不正に入手したキャッシュカードで金銭を盗んだ疑いが強まったということです。 調べに対し男は「カードの名義は覚えていないが、他人名義のキャッシュカードで何度か引き出したことがある」と容疑を認める供述をしているということです。警察は男は特殊詐欺の「出し子」とみて、余罪やキャッシュカードの入手経路などについて捜査を進めています。