参院選で外国人政策が争点として浮上している。一部の政党は外国人の増加が治安の悪化につながっていると主張。SNSでは外国人に言及する投稿が増え、中には「外国人の犯罪が急増している」「外国人は不起訴になる」といった投稿もある。千葉県の実態はどうなのか。千葉県警が公表している年間の犯罪統計をまとめた「犯罪の概要」(最新版は2023年)などを調べた。 (大村慧) 全国的に在留外国人は増加傾向にあり、千葉県も例外ではない。出入国在留管理庁が公表した最新の資料によると、千葉県内の在留外国人は24年12月末時点で23万1614人。千葉県の総人口627万3675人(25年1月時点)の3・7%を占める。 「犯罪の概要」によると、殺人や窃盗、詐欺などの「刑法犯」と、覚醒剤取締法違反や入管難民法違反、軽犯罪法違反などの「特別法犯」を合わせた千葉県内での外国人の逮捕や書類送検の摘発人数は、23年は974人。23年までの過去20年間で千人を超えたのは、06年の1133人と08年の1069人だった。 在留外国人が増加する中、摘発人数は横ばいで推移している。一方で、23年は前年比の増加率が約26%と急増していることも事実だが、コロナ禍で22年までに摘発人数が大幅に減少していた点に考慮する必要がある。