英語の国際テスト「TOEIC」での組織的なカンニング事件で、警視庁国際犯罪対策課は22日、中国籍の受験生が持っていた直径3ミリの極小イヤホンや音声中継器、中継器の使用方法を指南する動画などを公開した。不正受験を請け負う中国の業者側から提供されたものとみて調べている。 イヤホンと中継器は、6月7日に東京都内の試験会場で、他の人物から遠隔で解答を聞こうとしたとして、警視庁が任意聴取した中国籍の女性から提供された。 イヤホンは直径3ミリの金属製の球体で、耳の中に入れて骨伝導で音声を聞き、棒状の磁石で取り出すという。外からは中のイヤホンは見えない。中継器は装飾品が付いたペンダントの中に埋め込まれていた。 動画はこの女性のスマートフォンから見つかった。事前に業者側から送られたとみられ、イヤホンを耳の中に入れたり、中継器とスマホを接続させたりする手順が解説されている。 また警視庁は22日、3月1日に練馬区の試験会場で他人名義で受験したとして、中国籍の京都大大学院生、王立坤被告(27)=京都市=を有印私文書偽造・同行使容疑で再逮捕した。「教え役」とみられ、逮捕は4回目。「黙秘します」と話しているという。 警視庁は王容疑者から押収した約7センチの棒状の小型マイクも公開。マスクの内側に隠されていたという。 3月の練馬区の試験では10~20代の中国籍の男女14人が王容疑者と同じ中野区の住所で申し込んでおり、不正を試みた疑いがある。【菅健吾】