「キーマン捜査」から切り込む「前ファーストレディの疑惑」…韓国特別検察、金建希氏を来月初に召喚へ

【07月28日 KOREA WAVE】韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)前大統領の妻キム・ゴニ(金建希)氏をめぐる数々の疑惑を捜査中の特別検察チームは、複数の疑惑に関与した「キーマン」とされる人物を中心に初期捜査を進めている。証拠と証言を積み上げ、最終的にはユン・ソンニョル前大統領夫妻の関与を明らかにしようとする構図だ。 特検が捜査している主な案件は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)による請託疑惑、「執事ゲート」、ドイツモーターズの株価操作と裁判請託疑惑、公認介入とされる「ミョン・テギュンゲート」、そしてソウル―楊平高速道路および楊平公興地区開発における特恵疑惑、三扶土建株価操作疑惑だ。 特検の核心目標は、これらの事件とキム・ゴニ氏との直接的な関連性を明らかにすることだ。捜査の焦点となる「キーマン」たちは、多くの疑惑に関与しており、キム・ゴニ氏とつながる重要な証拠を握っているとされる。 注目される人物の一人が、元統一教世界本部長だ。2022年に旧統一教会関係者の指示でキム・ゴニ氏へ高級ブランド品(シャネルのバッグやダイヤモンドのネックレス)を贈り、請託を図った疑惑がある。特検は関連する領収書も確保しており、元本部長からは「総裁の許可を得て行動した」との供述が出ているが、統一教側は個人の逸脱と主張している。 また、元本部長は2023年の国民の力党大会前に信者を大量入党させ、クォン・ソンドン議員の支援を試みたとされ、政治資金法違反の疑いでも特検は捜査を進めている。7月25日には元本部長に対する逮捕状を請求した。 「執事ゲート」では、キム・ゴニ氏の「執事」とされるキム・イェソン氏がキーマンとして浮上している。キム・ゴニ氏は母親であるチェ・ウンスン氏の預金残高証明書偽造事件で有罪判決を受けたほか、過去にはコバナコンテンツ在職時に大手企業からのスポンサー誘致も担当していた。特検は、キム・ゴニ氏が関わったレンタカー会社IMSモビリティへの企業投資が便宜供与の見返りであった可能性を捜査しており、来月1日にはHSヒョソンのチョ・ヒョンサン副会長を召喚予定だ。 株価操作と救済請託の核心人物として、イ・ジョンホ前ブラックパールインベスト代表も注目される。ドイツモーターズ株価操作事件でキム・ゴニ氏の口座管理をしていたほか、三扶土建株操作、軍人に対する恩赦ロビー疑惑にも関わっている。特検はイ・ジョンホ氏が主犯のイ・ジョンピル氏に8000万ウォンを渡し、ユン前大統領夫妻に減刑の請託をした疑いを調べている。7月21日と23日に続き、30日には3回目の召喚調査を予定している。 特検はまた、「政治ブローカー」とされるミョン・テギュン氏による公認介入疑惑と、楊平高速道路および楊平公興地区に関連する疑惑でも証拠を集めており、7月25日には前大統領夫妻の私邸およびコバナコンテンツ事務所を家宅捜索した。 楊平高速道路の終点がキム・ゴニ氏一族の土地がある江上面に変更された背景や、同一族が所有するESI&D社が公興地区開発において優遇を受けたか否かが焦点だ。 特検はキム・ゴニ氏を8月6日に召喚し、直接取り調べる方針。それまでに「キーマン」たちから証言を集め、証拠分析を進める構えだ。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする