お洒落ゲーマーの心を鷲掴みしそうな高級フィギュアが登場した。制作したのはクリスタルの雄、スワロフスキー。フィギュア化されたのは2011年から続く歴史的ゲーム「マインクロフト」のキャラである。今年の25年4月にアメリカで実写版映画「マインクラフト/ザ・ムービー(原題はA Minecraft Movie)」が公開されるや、文字通り劇場を揺るがす大ヒットに。社会現象になりマインクロフトの人気の健在ぶりを印象づけた。 近年にもスワロフスキーは、スター・ウォーズ、マーベル・コミックなど男性を夢中にさせる映画や漫画とコラボして、クリスタルのオブジェをつくってきた。そんな中でも今回のマインクロフトの4体には不思議な現実感がある。その理由はクリスタルのカット面が、立方体で構成されたマインクロフトの絵柄を美しく再現しているからだろう。魅力溢れるドッド絵の立体表現である。ゲームの主役キャラであるスティーブのフィギュアは、436面ファセット(切子面)を有している。スワロフスキーが本気で取り組んだ豪華な造りである。 なお実写版映画は5月に公開された日本でも、今年公開された洋画ナンバーワンの国内動員数を記録している(6月時点)。子ども向けファミリー映画の位置づけだが、アメリカ本国での驚異的なヒットの裏には、ネット時代ならではの動画拡散による動員が絡んでいるようだ。 大人気ゲームの実写版で大きな注目を集めていたこの映画は、主役のスティーブを演じた俳優ジャック・ブラックが普段の彼の姿のまま登場してはしゃぐハチャメチャぶりも話題を呼んだ。そのツッコミどころを自己顕示に利用できると考えた若者たちが劇場に押し寄せ、上映中にポップコーンをぶちまけるなど大騒ぎ。その様子を皆がスマホで動画に撮りTikTokにアップ。アクセスした者が自分も参加しようと劇場に来る繰り返しを生み、警察による逮捕者まで出る結果に。もちろん映画にもゲームにも何も罪はない。ただ集団心理に溺れたお調子者の客が口コミの宣伝効果となり、同映画の大ヒットを後押ししたのは皮肉な話だ。 一方でスワロフスキーはそんな映画界隈の喧騒を意に介さないかのごとく、ゲームの世界と誠実に向き合った。ゲームキャラのポップさと、華やかなクリスタルの輝きとの楽しいコントラストが大人の所有欲をくすぐる。自分用に購入するだけでなく、「腕時計やアクセサリーは興味ないけど、ゲームには夢中になる」という人への特別なギフトにするのにもぴったりな逸品だ。