Aさんは、鉄道の写真を撮ることに情熱を注ぐ「撮り鉄」です。その日も珍しい列車がいつもの撮影スポットである踏切を通過すると知り、姿を写真に収めようと愛用のカメラを手に急ぎました。 しかし、彼の高揚した気持ちは、現場に到着するなり冷や水を浴びせられます。Aさんと同じ目的で集まったであろう大勢の鉄道ファンが、すでに場所を確保し、三脚を立てる隙間もないほどだったのです。 いよいよ列車がやってくる時間が迫り、Aさんは焦りだします。このままではせっかくの列車が撮影できません。どうしても写真を撮りたかったAさんは、遮断機をくぐり抜け、線路内へと足を踏み入れようとします。 その後、Aさんの侵入に気づいた人の知らせによって列車は緊急停車します。幸い、列車がAさんに接触することはありませんでしたが、運行の妨げになったことは否めません。このような踏切内への侵入行為は、一体どのような法的責任を問われるのでしょうか。まこと法律事務所の北村真一さんに聞きました。