歌舞伎町の立ちんぼ界隈で「マイナンバー確認」が流行中⁉ 未成年女子が年齢偽装をする“新手口”

これまでにも大規模な立ちんぼの摘発が行われてきた新宿・大久保公園。しかし、依然として売春が行われているのが実情だ。そのなかには未成年者も多い。 11月11日に行われた衆院予算委員会で高市早苗首相は、売春防止法の処罰対象を「買春」つまり、売春女性を買う側の男性についても広げる法改正について「必要な検討を行うことを法務大臣に指示する」と答弁した。今後は国もさらに対策を強めていくことになりそうだ。 現在の売春防止法では、立ちんぼが逮捕されても買春男性が捕まることはない。捕まるのは未成年を買春した場合に限られている。しかし、大久保公園周辺で話を聞いたある買春男性によると、明らかに未成年と思われる女性がここ数ヵ月で増加しているそうだ。「7月に客待ちをしていた立ちんぼが4人逮捕された後でしょうか。8月末あたりから未成年が増えている気がします」と、その実態を語る。 「今まで立ちんぼがいなかったエリアで未成年が売春をしていますね。大久保公園周辺から、区役所通りに向かって進む道がメインでしたが、もう1本、花道通り寄りと言えばいいんでしょうか。南側のラブホ街の入り口あたりに出没するようになりました。 聞いた話では、『バイトができないからここにいる』『バイトの時給よりも全然稼げる』という理由で立ち始めたそうです。2年間で1億円も稼げるのなら売春をしてみようって考えらしいですね。また、バイトができない年齢でも売春なら稼げると思っている子もいるみたいです」 前出の立ちんぼ4人が逮捕された事件では、容疑者の1人が売春で2年間に1億円という大金を稼いでいたと報じられた。とうてい一般的な労働で得られる金額ではない。報道の影響で、手っ取り早くカネを稼ぎたい未成年の立ちんぼが増えているようだ。 たいていの買春男性たちは未成年を買うリスクを恐れている。警察の世話にならないための対策として、とにかく女の子の年齢確認をしているという。それに対して未成年立ちんぼたちも、いろいろな策を講じているようだ。 ◆ホストに貢ぐ立ちんぼは減った 「年齢確認には身分証明書を提示してもらうことが一番です。なので『証明できるものを持っている?』と聞いていますが、ほとんどの女の子は持っていないと答えます。 しかし、ここ最近は『マイナンバーを持っています』という女の子が多くなっているんです。ただし、マイナンバーカードの実物ではなく、スマホで撮影した写真。そのうえ顔や生年月日が微妙にかすんでいて本人のものかどうか今一つ確証が持てない怪しいシロモノです」(前出の男性) 身分証ならば保険証などでも代用できるが、マイナンバーカードが彼女らの間で普及しているのは、ホストやメンズコンカフェといった店が顔写真付きの身分証明を求めるようになったためだと思われる。マイナンバーカードは15歳以上であれば成人同様に申請することができるので、実物ではなく写真だという時点で怪しいのだが、それでも管理がずさんな店であれば、売春をした足で入店できる。 立ちんぼに話を聞くと、未成年の年齢偽装はグループで行われているようだ。とある女性が年齢偽装について語ってくれた。 「姉のマイナンバーカードや保険証を勝手に写真で撮って使っていると聞いたことがあります。証明写真って写りが悪いし、買春男性は中年くらいのおじさんが多く、あとは外国人。おじさんは、若い女の子の顔が多少違っても気付かないですし、そもそも化粧の違いなんてわかってないです。外国人も同じで、雰囲気だけで品定めをしているので、だませているんだと思います」 1人が買春男性をだませる方法に気がつくと、すぐに広まるのがこの「交縁界隈」だ。「楽に稼ぎたい」から立ちんぼをするという話が出ていたが、それではなぜ、年齢を偽ってまでカネを稼ぐ必要があるのだろうか。別の立ちんぼに話を聞くと、「そもそも金が必要」だからだと話す。 「歌舞伎町含め、今はどこで遊ぶにしてもお金が必要。ちょっと友達とご飯に行こうとしたらインスタなんかで有名な店だと2000~3000円はしますし、お金はいくらあっても足りません。 それに若いうちに我慢をして生活をしたくありません。友達と遊びたいし、欲しいモノを我慢したくはないです。友達が親からたくさんお小遣いをもらってデパコスやブランドものの服を買っているのに、私だけ必死にバイトをしているのってなんだか惨めじゃないですか」 あくまで体感だが、昔に比べてホストに散財する立ちんぼは減ったように感じる。この女性が話す通り、新顔の立ちんぼには、周りの友人よりも贅沢がしたい、自分が思う存分買い物や遊びを楽しむためにお金が欲しいという女性が増えているように思える。 時代の変化とともに、歌舞伎町で立ちんぼをする女性たちや、その稼ぐ動機にも変化が訪れている。しかし、買春男性と売春未成年女性が化かし合うという構図だけはなかなか変わらないようだ。 取材・文・写真:白紙緑

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