【ロンドン共同】英中部で1986年にバー店員の女性＝当時（21）＝が殺害された事件で、殺人罪で終身刑となり約38年間服役していた男性（68）が13日、控訴院で無罪判決を言い渡された。BBC放送などが報じた。英国内の冤罪事件では最長の服役期間だった。検察側は不服を申し立てず、無罪が確定した。 男性は87年に服役した。最新技術で現場に残された体液をDNA鑑定したところ、男性のものではないと分かり、再審請求が認められた。 事件は86年8月に中部バーケンヘッドで起きた。仕事を終え帰宅途中だった女性が襲われ、頭などを殴られて死亡。性的暴行の跡もあった。警察は3千人を任意聴取し、男性を逮捕。男性は当初、自身の犯行だったと供述したが、弁護士の選任後、否認に転じた。 体液のDNA型と一致する男は見つかっておらず警察が再捜査している。