「合格のご褒美はベッドの上で」塾講師とデキ婚した女子高生。性的グルーミングを裏付ける「ある言動」【専門家解説】

東京都府中市の学習塾で、男子生徒にわいせつな行為をしたとして、59歳の塾経営者の男が逮捕された。本人は男児の体を触った容疑を認めているという。 先だっては、生徒である女子児童に不同意わいせつを行った徳島市の元アルバイト塾講師に執行猶予付きの有罪判決が出たばかり。子どもたちへの性加害事件の多さに危機感を募らせている人も多いのではないか。 「教師や塾講師の性加害に関する報道が続いています。被害に遭った子どもたちの心身の傷はもちろん、真摯に教育の仕事と向き合っている方々の心労はいかばかりかと思いますね」 こう話すのは危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏。 「文部科学省は、児童生徒などへの性犯罪等で懲戒処分などを受けた公立学校の教員が320人(2023年)だったとしていますが、これだけ教員や塾講師の逮捕報道が相次ぐと、表に出ている数字など氷山の一角ではないかと疑ってしまいます」 今回取材に応じてくれたのは、ある20代の女性。高校時代の友人が、当時通っていた塾の講師と恋愛関係になった後、授かり婚をした話をお聞かせいただいた。 「こちらの女性は、中学生からの同級生である友人が、一緒に通っていた塾の講師と恋愛関係になり、『最後にはデキ婚した』と証言しています」 女性曰く、ある教科の担当講師は日頃から、「君がかわいすぎて仕事に集中できない」「君に会うためにこの仕事に就いたのかも」などと、友人だけに言葉をかけていたそうだ。 「友人の女子高生は、これによって講師に対し関心と好意を抱くようになり、やがて熱を上げていったそうです」 友人が講師にそこまで夢中になった理由が今もわからないという。「少なくとも私から見れば、パッとしない先生だった」とは、取材した女性の言である。 「教師と生徒という立場、秘密の関係という状況が女子生徒の気持ちを盛り上げる…講師はこうした状況と生徒の心理を利用していたおそれがあります。そうであれば、これは『性的グルーミング』という手なずけ行為そのものではないでしょうか」 とした上で平塚氏は、「講師自身がこれを性的グルーミングだと自覚せず、『恋愛』だと思い込んでいた可能性も指摘。さらに… 「『生徒を鼓舞するためにしていることで、恋愛感情を引き出すためではない』と自分に言い聞かせていた可能性もあると思います」とした。 女性は講師から口外を禁じられていたが、秘密の恋愛をどうにも友人に自慢したくなったようで… 「『先生のことが好き。もうつき合いかけてる』『合格したらホテルデートを約束してくれた』と口走るようになったそうです。『それはさすがにマズいと思う』と女性が交際に反対すると、彼女はさらに思い詰めたといいます」 女性は、注意や警告を与えれば与えるほど相手が暴走しかねないと危惧し、傍観することにした。友人は一時成績を急降下させながらも、合格した暁の「ベッド上でのご褒美」を心の支えに、何とか受験を乗り切ったという。 取材を受けた女性はこう述べた。 「彼女は結局、大学2年の時にその講師とデキ婚しました。休学しながら大学を卒業しましたが、子どもが2歳になる前に離婚しています。先生が生徒に手を出す『常習者』だということが判ったからです」 【関連記事】「先生のご褒美、最高だった」夫のLINEに浮かび上がった文字。塾講師の夫が生徒ばかりからモテた理由とは では、女性の友人が塾講師と恋愛関係を深めた経緯と共に、結婚後に判明したグルーミングの「常習性」について詳報している。 【取材協力】平塚俊樹:危機管理コンサルタント【聞き手・文・編集】川路詠子 PHOTO:Getty Images【出典】文部科学省:性犯罪・性暴力等に係る懲戒処分等の状況(教育職員)令和5年度

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