【AFP=時事】トルコ外務省は27日、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が第1次世界大戦中の1915年からオスマン帝国で起きたとされる「アルメニア人虐殺」を「ジェノサイド(集団殺害)」だと事実上認めたことについて、パレスチナ自治区ガザ地区での流血沙汰を隠蔽(いんぺい)しようとするものだと非難した。 トルコはアルメニア人虐殺について、「ジェノサイド」という言葉を使うことを断固として拒否している。 トルコ外務省は、「1915年の出来事に関するネタニヤフ氏の発言は、過去の悲劇を政治的な理由で利用しようとする試みだ」と指摘。 「パレスチナ人に対するジェノサイドに関与したとして裁判を受けているネタニヤフ氏は、自身とイスラエル政府が犯した犯罪を隠蔽しようとしている」と続けた。 イスラエルは、ガザでジェノサイドを行っているとの非難を「あからさまなうそ」として否定している。 ネタニヤフ氏は今のところ、そのような罪で裁判を受けていないが、ガザ紛争における人道に対する罪と戦争犯罪(飢餓を戦争手段として利用したことを含む)の容疑で、国際刑事裁判所(ICC)に逮捕状を出されている。 PBDポッドキャストのインタビューで、なぜアルメニア人虐殺をいまだにジェノサイドと認めていないのかと問われると、ネタニヤフ氏は「認めたばかりだ」と答えた。 南アフリカは2023年12月、イスラエルのガザ攻撃が1948年の集団殺害罪の防止および処罰に関する条約(ジェノサイド条約)に違反しているとして、国際司法裁判所(ICJ)に提訴。審理が進められている。【翻訳編集】 AFPBB News