韓国で急増する「中国人による犯罪」…軍施設の無断撮影から麻薬まで、安全保障脅かす“新型リスク”

【05月07日 KOREA WAVE】韓国に滞在する中国人の数が年々増加する中、それに比例する形で中国人による犯罪も急増している。単なる生活型・軽犯罪を超え、国家安全保障を脅かす深刻な事件も続発しており、政府に対しては強力な対策を求める声が高まっている。 news1の取材を総合すると、過去3年間で中国人の犯罪容疑者数は全国で計4万5121人にのぼる。年別では、2021年に1万4503人、2022年に1万5085人、2023年には1万5533人と年々増加傾向が続いている。 外国人による犯罪の中でも、中国人の占める割合は圧倒的だ。2023年の主要国別外国人犯罪容疑者数は、中国人が最多の1万5533人で、ベトナム(3410人)、タイ(2567人)、米国(1658人)、ウズベキスタン(1711人)、モンゴル(1173人)などが続いた。 全国各地で中国人による犯罪が絶えず発生している現状に加え、近年ではその手口がより大胆かつ巧妙化し、韓国の安全保障にまで影響を及ぼす事例も現れ始めている。 ◇軍事施設を無断で数千回撮影、無線機も所持 一例として、京畿南部警察庁・安保捜査課は現在、軍事基地および軍事施設保護法違反の疑いで、中国国籍の10代少年ら2人を立件し、取り調べを進めている。 2人は3月18日に観光ビザで仁川国際空港から入国。高性能の望遠レンズ付き一眼レフカメラ2台とスマートフォンを用い、韓国軍および在韓米軍の基地、主要空港の管制施設、戦闘機などを数千回にわたり無断で撮影した疑いがある。さらに当時、彼らは無線機を所持していたことも判明している。 警察は、国立科学捜査研究院に無線機2台の鑑定を依頼するとともに、スマートフォンに対するデジタルフォレンジック解析を進めており、事件の全貌解明を急いでいる。加えて、2人に対しては最終的な捜査結果が出るまで出国禁止措置を維持する。 ◇麻薬事犯も摘発…「再入国制限を」 仁川警察庁の国際犯罪捜査課は、向精神薬であるメタンフェタミン(通称「ヒロポン」)を投薬した疑いで、中国籍の40代男を逮捕・送検した。共犯の30〜40代中国人4人についても、不拘束のまま捜査を進めている。 彼らは、4月22日午後11時ごろ、京畿道始興市の住宅街でヒロポンを投薬した疑いが持たれている。 韓国刑事法務政策研究院のペ・サンギュン研究委員は「中国人による重大事犯については再入国を原則制限するような、より厳密な管理が必要だ。戦闘機撮影のような事案は、中国でも反スパイ法が存在することから、外交的に対応できる領域でもある」と強調した。 さらに「麻薬・賭博などの前歴は出入国記録に反映させ、水際で統制すれば、犯罪の多くを未然に防ぐことが可能だ。常習者の管理だけでも犯罪抑止に大きく寄与するだろう」と述べた。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News

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