川崎市の住宅でストーカー被害に遭った岡崎彩咲陽さん(20)の遺体が見つかった事件を受け、1999年に埼玉県桶川市で発生した「桶川ストーカー殺人事件」の遺族が8日までに取材に応じた。二つの事件は、被害者が繰り返し発した「SOS」に対する警察の消極姿勢が共通しているとして、遺族は「もっと被害の訴えに寄り添ってほしかった」と語った。 桶川事件では大学生の猪野詩織さん=当時(21)=が、別れ話をきっかけに元交際相手からストーカー行為を受けた。詩織さんや家族は近くの警察署に何度も被害を訴えたが、元交際相手の兄らに刺殺された。 取材に応じた父憲一さん(74)は「詩織と同じような被害がまた起きてしまった。悲しく、いたたまれない」と悔やんだ。 川崎事件で岡崎さんは、元交際相手の白井秀征容疑者(27)=死体遺棄容疑で逮捕=からの執拗なつきまといなどを神奈川県警に何度も訴えていた。憲一さんは「市民が警察に相談すること自体、ハードルが高い。それを越えて危険信号を出しており、くみとってほしかった」と指摘する。