イギリスのキア・スターマー首相に関係するロンドン市内の住宅2軒と車1台で起きた火災について、ロンドン警視庁は15日、21歳の男を放火罪3件で起訴したと発表した。 起訴されたのは、ウクライナ国籍のロマン・ラヴリノヴィッチ被告。人命を危険にさらす目的で放火したとされる。 ラヴリノヴィッチ被告は13日未明、ロンドン南東部シデナムで逮捕された。16日にウェストミンスター治安裁判所に出廷する予定。 被告は、ロンドン北部ケンティッシュ・タウンで続いた車両火災と首相私邸の火災、首相がかつて暮らしていたロンドン北西部にある住宅の火災に関わったとされる。 捜査当局が以前から把握していた別の人物と、被告との間につながりがあるため、ロンドン警視庁テロ対策指令部が捜査を指揮している。 ロンドンの消防当局によると、現地時間12日午前1時11分(日本時間午前9時11分)、同市北部ケンティッシュ・タウンで発生した「小規模火災」に消防士10人と消防車2台が出動した。約20分後に鎮圧したという。 スターマー氏は首相官邸に移る前、ケンティッシュ・タウンの住宅で暮らしていた。 警察は12日午前1時35分に、ロンドン消防隊(LFB)から、住宅火災の連絡を受けた。 玄関部分に被害があったが、けが人はいなかったという。 この住宅は、スターマー氏の義理の妹に貸し出されていたことが、BBCの取材で分かっている。 この4日前の5月8日には同じ通りで、スターマー氏が昨年に隣人に売却した車が放火された。 5月11日の午前3時過ぎには、そこから程近いイズリントンにある、一軒家を集合住宅に改築した建物の玄関ドアで小さな火災があり、消防が出動した。 LFBによると、1人が消防隊によって助け出された。 スターマー氏は1990年代に、イズリントンの物件で暮らしていたとされる。 (英語記事 Man charged over fires at homes linked to PM)