16歳の少年4人らが逮捕された栃木県上三川町の強盗殺人事件など、匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)が絡んだとみられる事件で未成年者の逮捕が相次いでいる。 警察庁の楠芳伸長官は「グループに少年が利用されている実態がある」として対策を指示。同庁はSNSの情報発信などに力を入れ、「決して手を出さず、巻き込まれたら警察に保護を求めてほしい」と呼び掛ける。 トクリュウが関与した事件では、2025年に全国で1万2178人が検挙され、うち10代は約11%の1322人だった。強盗・窃盗の実行犯や特殊詐欺の現金受け取り役など、捕まるリスクが高い役割を押し付けられる傾向があるといい、強盗事件では検挙者の4割を10代が占めた。 同庁によると、事件に加担した経緯はSNSの「闇バイト」募集が全年代で主流だが、10代では「知人の紹介」が最多。友人・先輩などの人間関係で断れず手を出すケースが多いとみられ、不良グループがトクリュウ化したり、人材供給元になったりした例もあった。 捜査幹部は「『未成年は重い罪にならない』『絶対捕まらない』などの誘い言葉は全てうそだ」とくぎを刺し、「首謀者は身元を隠す工作を徹底し、実行役は逮捕されても構わない『使い捨て』と考えている」と話す。 栃木の強盗殺人事件を受け、警察庁は公式X(旧ツイッター)などに闇バイト対策のチラシを改めて掲載。学校に出向く防犯教室などでも取り上げ、学校に通っていない少年らに対しては支援団体を通じ注意啓発する。非行で補導した際や逮捕者の立ち直り支援でも、トクリュウに関わらせない取り組みを強める方針だ。 また、巻き込まれた場合の保護にも力を入れる。警察相談専用電話「#9110」や各警察署で相談を受け、今年4月末までに667件の保護を実施。うち4分の1が闇バイトに応募した10代やその家族からの申し出という。 応募者は身分証やスマホのデータを握られ、「断れば家族や友人を殺す」などと脅される例が珍しくない。ただ、警察が保護した中で、その後本人や周囲が危害を加えられた例は確認されていないという。同庁幹部は「警察はしっかり守る。逃げ出す勇気が大切」と話している。