何か独り言を喋り笑みを浮かべ…泥酔運転31歳男「車9台の多重事故で8人負傷」逮捕直後の異様行動

男は上半身をクネクネと揺らし、表情をゆがめ脚を引きずるようにして警察署から出てきた。何か独り言を喋(しゃべ)ると一転、笑みを浮かべたようにも見える。泥酔して乗用車を運転し車9台が絡む多重事故を起こした容疑者が、逮捕直後にとった異様な行動だ――。 本誌カメラマンが撮影したのは、5月7日に行われた大阪市浪速区に住む自称会社員・野中雅仁容疑者(31)の送検。野中容疑者は5月5日、神奈川県警横須賀署に道路交通法違反(酒気帯び運転)の疑いで現行犯逮捕された。 「事故が起きたのは5日昼前11時過ぎです。場所は京浜急行・横須賀中央駅近くの繁華街。当日はゴールデンウィーク中で、買い物や観光を楽しむ人々で賑わっていました。そんな人通りの多い道路を、酔った野中容疑者が運転する白い乗用車が猛スピードで走り抜けたんです。 野中容疑者の乗用車は次々とバスや車にぶつかり、辺りは通行人の悲鳴であふれたとか。幸い亡くなった人はいませんでしたが、バスの乗客など8人がケガを負っています。逮捕された野中容疑者からは、基準値の3倍ものアルコールが検出されました」(全国紙社会部記者) ◆『パニックになってしまった』 防犯カメラの映像などには、野中容疑者の無謀きわまりない運転の様子が残されている。路線バスに追突後、バックして後方の車に衝突。対向車線にはみ出し停まっていた車の正面に激突すると、さらに別のバスなど数台とぶつかった……。事故を起こした区間は300m近くに及ぶ。 「野中容疑者は運転する直前まで、数時間にわたり酒を飲んでいたようです。酒好きで長時間飲むことも多かったとか。警察の調べに対し『飲酒運転したことは間違いありません』と容疑を認めているそうです。しかし送検時の異様な行動(冒頭の記述)を見ると心から反省しているのか疑わしい……。 野中容疑者が運転する車には、20代の男性が同乗していましたが多重事故が起きた直後に現場から逃走。事故当日の夜に警察署に出頭しています。警察に対しては、『事故の衝撃でエアバックが出て口を切り血が出たのでパニックになってしまった』などと供述しているとか。警察はこの男性が野中容疑者の飲酒運転を知っていた可能性があるして、道路交通法違反(酒気帯び運転同乗)の疑いで調べる方針です」(同上) 元神奈川県警刑事で、犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が解説する。 「これだけ飲酒運転の危険性が叫ばれているのに、まだ同様の犯行に及んでいるのかと呆れます。基本的に飲酒運転は100万円以下の罰金になりますが、もっと厳しくすべきでしょう。初犯なら執行猶予がつくにしても、酒を飲んで事故を起こせば一発で懲役刑が科されるなどです。 飲酒運転は、死亡事故につながる可能性が非常に高いという認識をもっと浸透させるべきだと思います。車は『走る凶器』ともいわれる。酒を飲んで正常な判断ができなくなり猛スピード走行や逆走などをすれば、多くの人の命が危険にさらされるんです」 警察は、より罪の重い危険運転致傷の疑いに切りかえ野中容疑者を捜査する方針だ。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする