元刑事と臨床家が語る「教師による盗撮」から「きょうだい間の性加害」まで 秋山博康×斉藤章佳対談

『元刑事が国民全員に伝えたい シン・防犯対策図鑑』で犯罪の現場から防犯のあり方を問い続ける“リーゼント刑事”こと秋山博康氏と、『夫が痴漢で逮捕されました 性犯罪と「加害者家族」』で性犯罪と家族の苦悩を描いた斉藤章佳氏が、子どもを性犯罪の被害者にも加害者にもしないために、社会や家庭でできる事を見据え、本音で語り合った。 * * * ■厳罰化で学校内の盗撮は防げるのか 斉藤章佳(以下、斉藤):秋山さんもYouTubeで配信していましたが(【鬼畜】教員盗撮グループ画像共有事件について怒っています)、7月には名古屋市や横浜市の小学校教員が児童を盗撮する事件がありました。これから新学期を迎えるにあたって、不安が募っている保護者も多いと思います。 秋山博康(以下、秋山):卑劣極まりない犯行やな。最近では、監視カメラを設置する議論もされているようですが、大多数の教員にとってはなんとも複雑な気持ちだと思います。 斉藤:榎本クリニックでは長年、性加害者の再犯防止プログラムを行っていますが、教員による盗撮の相談は少なくありません。筆箱などにスマホを隠して、生徒の着替えを盗撮していた人もいます。 秋山:性犯罪は「厳罰化すればなくなるか」といったら、そうでもないのが難しいところやな。そもそも「この犯罪行為がどれぐらい重い罪になるか」ということを知らん人も多いですからね。現に強盗は無期懲役になることすら知らずに、闇バイトで犯罪に加担する若者が後を絶たない。 斉藤:そうですね。かつては盗撮を取り締まるのは各都道府県の迷惑防止条例だけでしたが、2023年7月には「撮影罪(性的姿態撮影等処罰法)」が新設されました。しかし、これもあまり知られていないように思えます。 秋山:子どもを守るためには、性犯罪の前歴がある人は子どもと関わる職には就けなくする「日本版DBS」など、犯罪をさせないために「環境」を整えておくのが大事だと思いますね。 斉藤:おっしゃるとおりです。そして個人的には、刑罰や監視、治療で「変わる層」と「変わらない層」がいると思っています。 盗撮や痴漢などの反復的な性犯罪は嗜癖行動(行為依存)としての側面もありますが、この傾向が強い受刑経験者は刑事手続に慣れてしまって、刑務所に入ることにそれほど抵抗がない人も一定数いるんです。 犯罪傾向が進んでいない人には防犯カメラや厳罰化も一定の抑止力になると思いますが、常習者になると「防犯カメラがついた車両で痴漢に成功したほうが達成感がある」と話す人もいる。監視や刑罰が問題行動を亢進してしまうタイプもいるということです。

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